劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第44話 神社 ページ2

真理さんの出産を祝って今日は親戚みんなで集まった。

「みんなありがとう！」

真理さんと旦那さんはとても嬉しそうだ。

赤ちゃんは「希望」と書いて「きほ」という名前がついた。

「A、今日は東京からわざわざありがとう。元気にやってる？」
「うん。毎日元気にやってるよ。おばさん来られなくて残念だけど…」

おばさんとはお父さんの妹で今海外で仕事している綾子さんのことだ。

綾子さんが日本に帰国するのは来年の春の予定だ。


「でも綾子さんから連絡があったのよ。元気そうで何よりだわ。」
「そっか！よかった！」



夕食をご馳走になり、眠ろうとするものの、どうしても寝付けなかった。

近所を散歩しようと私は外に出た。

あちこちで聞こえるコオロギの音色が心地よい。

そういや、真理さんの旦那さんが近所に神社があるって言ってたな。明日は結構早いからお参りしようかな…なんて考えていたら。


たたたたた

背後に気配を感じて振り返ると突然何かが飛び出して来た。

驚いて懐中電灯で照らすと、どうやら猫っぽい。


まさか！私はそのまま何かを追いかける。

しかし中々早くてどんどん差が出る。


何かを追いかけて着いたところはなんと旦那さんが言っていた神社だった。

ちょうどよかった！

私はお賽銭箱に5円玉を入れてこうお祈りをした。

「残り半年もみんな災難なく健康で暮らせますように。」


お祈りをしてふと空を見ると星空がきらきらと輝いていた。


「綺麗…これもミストの魔法かな…。」

私はぼそっと呟く。


カサッという音がして振り返る。

すると短髪で長身、イケメンなんだけど少し目つきが鋭い男性がいた。

そのまま私に近づき、じっとガン見する。

「えっ、あの、こんばん…」
「お前何故ミストフェリーズを知っている？ジェリクルキャッツなのか？それとも恋人か？」

突然質問づくしで戸惑う。

「えと、ジェリクルでは無いです。でも話が出来るんです。」
「どうしてそんな事わかったんだ。」
「えーと、怪我した猫を助けたんだけどそしたら突然喋り出して、その猫リーダーらしくて…」

私がもごもご話していると、後ろから声がした。

「え！それってマンカスのこと！？」

振り返るとショートヘアで小柄な女性が私を見ていた。


「…ねぇタンブル、もしかして…」
「ああカッサ、間違いない。」


え。

ちょっと待って。


まさかこの人達、いや猫達が…




「カッサンドラとタンブルブルータス！？」

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