第26話 切ない過去 ページ31
私はさっきあったことを素直に話した。
「すまない、あいつはギルバートっていってカンフーが得意なんだ。君より一つ上だ。」
やっぱりジェリクルなんだ…。
カンフー…だから飛び蹴りしてたんだ。
「あいつは幼い頃、家族が人間に捕まって殺されたんだ。彼も殺されかけたが何とか逃げ切った。それ以来だ、ギルが人間嫌いなのは。」
そんな切ない過去が…人間のことを嫌いになってもおかしくない。
「ごめんなさい。私と同じ人間がこんなことをして…。私がどんなに謝ってもどうにもならないのは分かってる。…でも力になりたい…！」
私はもうギルバートさんに怒りは無かった。
その代わりに力になりたい、和解したいという思いがこみ上げてきた。
「分かった。本人にもそう伝えておくよ。ギルは幸せ者だな。女の子にこうやって大切に思われているんだから。」
マンカスはそう言うと私の頭を撫でた。
私は優しさに負けて泣いてしまった。
「嘘だろ…。」
最悪の考えが浮かんだ。
「マンカスはあの娘に命を救われて以来、彼女に惚れている。」
後ろからランパスの声がした。
「ギル、お前は恨み任せに己の感情のままAに攻撃をした。」
「先に攻撃をしたのは向こうだ！」
「武力ではない。言葉でだ。」
そう言われて俺は言い返せなかった。
確かにマンカスの命を救ってくれたのには感謝しようと思う。
しかし相手は俺の家族を殺した人間だ。素直に信じることは出来ない。
「今すぐに人間を信じろなんて言わない。だが、お前はジェリクルだ。自分の使命を忘れないことだな。」
ランパスはそう言うと俺に背を向けた。
「最後にひとつ言っておくが、娘に惚れているのはマンカスだけじゃない。あのタガーも彼女に恋い焦がれている。コリコの初恋もAだ。」
！！
「…俺はあの娘は人間だが敵ではないと思っている。しいて言えば……家族だ。」
ランパスは走っていってしまった。
ふと見ると、もうあの2人もいなかった。
俺はもうあの人間…いや、Aに怒りは無く、その代わり罪悪感に襲われていた。
「ふざけてるのはそっちだろ！」
そうだよな、俺ふざけてた。
あと2年でジェリクルの大人の式典に出るっていうのに、感情のままに女の子に攻撃して、子供じゃねぇか。
これでもジェリクルの戦士なのか。
これでも男なのか。
自分の情けなさに酷く呆れ、あることの為に泥棒猫のもとへ向かった。
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伊達 光秀 - マンカスとタガーに好意を持たれているなんて...夢主ちゃんが心底羨ましい← (2018年12月17日 22時) (
レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
マリお - マンカス大っすきなんでうれしいです＾＾こうしてキャッツの夢小説に出会えるとはおもってなかったです。 (2014年11月8日 23時) (レス) id: 483dce1d76 (このIDを非表示/違反報告)
かななん(プロフ) - ねねこさん» 有難うございます☆こちらこそ、よろしくお願いします♪ (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - かななんさん» いえいえ！レスってところを押すと送りたい人のところに楽々送れますよ(o^^o)私は神奈川（静岡に近い方です）に住む高1です！これからも小説宜しくお願いします(*^_^*) (2014年8月1日 13時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
かななん - ねねこさん、返信遅くなってすみません汗 (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねねこ | 作成日時：2014年5月11日 2時
