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第11話 男2匹の夜 後編 ページ13

「マンカス、Aが好きなんだろ?」

数秒間の沈黙が流れた。

「ちょ、お前何言い出すんだ。なぜそうなるんだ。」
「お前知らないのか?みんなお前がAに惚れたって噂してるぜ。」
「俺は彼女が好きなんて一度も言ってないぞ。」
「お前、みんなにあいつのこと話してる時、すげえ嬉しそうな顔してたぜ。それになんだあ?
 優しくて可愛くて笑顔が素敵だなんだか、明らかに惚れてんじゃねえか。」

マンカスは顔を真っ赤に染めた。

「お前、聞いていたのか!」
「ああ。しっかしお前みたいなカタブツが恋なんてな〜、何年ぶりだあ?」
「だから違うと言っているだろう!」
「ふうん、本当に好きじゃないんだな?」

俺はにやっと笑うと目の前で真っ赤な顔をしている「ライバル」に言った。



「じゃあ、俺のものにしちゃおうかな。」



俺は数年前、本気で恋をした。
しかしその雌猫は人間と恋に落ち、結婚したため、俺は失恋した。
だがその1年後、夫婦は一人の娘を残して事故死した。

「Aは彼女に似ている。品のある外見の中にある茶目っけ、可愛さ、そして優しさ。
 あいつは彼女が生き返ったかのようだよ。

 だからかもしれねえな、俺がAに「恋」をした理由がな。」




俺はひどく驚いた。

タガ―の奴、Aに惚れていたのか。

なぜだかわからなかったが、二人がくっつくことに納得いかなかった。

「ほう、ずいぶん不満なようだな。」
「お前、またそうやってもて遊んでいるな。彼女は純粋だ。何か起こしたら絶対に傷つくぞ。」
「本気で惚れたんだ。傷つけやしない。守ってみせるさ。
 で、お前はどうなんだ?」

…どうって言われても上手く表せない。

Aは人間だ。でも彼女は敵ではない。猫のことを愛し、家族のように慕ってくれる。
 純粋で優しい娘だ。あんな女性、なかなかいないと思う。

彼女にもう一度会いたいと思ったし、再び会った時、嬉しい気持ちが身体中から湧き出た。
彼女のことを考えると心拍数が上がって、身体中が熱くなる。
そして彼女が「ライバル」のものになることが許せない。

ああ、この気持ち、何年か前にも経験した。

その時、俺は初めて「恋」をしたんだ。


そして今、はっきりと自覚した俺は目の前の「ライバル」にこう告げる。




「俺もAが好きだ。」





すると天邪鬼はふっと口角を上げ、
「おう。負けねえからな、リーダー。」

「上等だ。」




今夜だけ、お前に感謝するよ、タガ―。

第12話 ネックレスがない→←第10話 男2匹の夜 前編



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伊達 光秀 - マンカスとタガーに好意を持たれているなんて...夢主ちゃんが心底羨ましい← (2018年12月17日 22時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
マリお - マンカス大っすきなんでうれしいです^^こうしてキャッツの夢小説に出会えるとはおもってなかったです。 (2014年11月8日 23時) (レス) id: 483dce1d76 (このIDを非表示/違反報告)
かななん(プロフ) - ねねこさん» 有難うございます☆こちらこそ、よろしくお願いします♪ (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - かななんさん» いえいえ!レスってところを押すと送りたい人のところに楽々送れますよ(o^^o)私は神奈川(静岡に近い方です)に住む高1です!これからも小説宜しくお願いします(*^_^*) (2014年8月1日 13時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
かななん - ねねこさん、返信遅くなってすみません汗 (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年5月11日 2時

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