春は私と貴方の季節 (ページ17)

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じゅうななページ17

ライブが、終わった。

緊張でどうだったのかなんて、

全く覚えていない。

ただ電気が落ちて、退場した瞬間

みんなに抱き締められたことから

私の記憶は残っている。

中村「よく頑張ったな、A。お疲れ」

小柳「しんどかったよな、ごめんな、
なにもしてやれなくて」

西村「ほんとよかった。練習頑張ってたもん」

千葉「みんなAの事見てたよ。お疲れ様」

『っ、怖かった…っ、ありがとう、みんなっ』

嗚咽で途切れ途切れになる言葉を、

それでもみんなうんうんと聞いてくれる。

本当に優しい人達だ。

カメラマンのゆうきちゃんがケータイで動画を

撮りはじめたけれど、そんなこと気にせず、

みんなの真ん中で沢山泣いた。

涙の理由(わけ)は多分、緊張からの解放と

ライブが無事終わったことの安心感から。

"練習は、嘘つかねぇよ"

そうやって言った友哉の表情は、今と同じだ。

中村「な、言ったろ。練習は、嘘つかんから」

『うん、そうだった』

山中敦司ライブ終わった?ごめんな、お疲れ

バトルロボからLINEが来ていたのに気付いた

のは、次の日の朝だった。