あと3分…

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「なぁ…俺の事､からかってんの…」




「そんな事してな……」




最後の言葉を紡ぐ前に唇に感じた体温




抵抗するも何度も角度を変えて落とされる熱




壁に押し付けられて密着する身体




「ふざけんなよ…」




有岡の声が吐息と共に零れ落ちる




そしてまた落とされる熱…




激しさを増すリップ音…




呼吸の合間に入り込んだ舌が口内を動き回り
微かに香るレモンとアルコールが鼻を抜けていく




電車の音が近づいてくる…




頭を振り唇が離れる




「いゃ…やめて！！」




押さえ込まれていた体がフッと軽くなり




有岡の体を押し退け､足元の鞄を拾い




ドアが開いたと同時に電車に駆け込んだ




車内で乱れた呼吸を整えながら




さっきまで居たその場所に目をやる




自販機の横､背中を向けたままの有岡




足元には倒れた鞄




ドアが閉まり動き出す電車




ドアに寄り掛かり､見えなくなるまで
その姿を見ていた…









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唇に感じた有岡の体温と









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激しい胸の高鳴り









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そして…









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「ごめん…」









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その消え入りそうな声を思い出しながら…









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