君は何を思う３ (ページ10)

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１０９話ページ10

柳｢ここは大伍に抑えさせれば、潰せると思いますよ｣

石｢そのスペースに、ヤスが入るように……｣

大岩｢これだと後半にヤスの負担が大きい気がするなあ。スペース狙われないようにしないと｣

｢……｣

大伍に踏まれた手も復活して、やっとグラウンドでの練習にも参加できるようになった8月のはじめ。
監督室で次節の戦い方について話し合いをしているのだけど……

石｢Aコーチ、どうかしました？｣

｢あ、いえ。何でもないです。すみません……｣

柳｢具合でも悪い？｣

｢いえ！本当になんでもないです。続けましょう！大伍は風邪気味って言ってましたけど、次節いけますかね？｣

大岩｢パフォーマンスは落ちてないけどね。試合までもう少し日があるから……前日の様子を見て判断しようか｣

柳｢大伍なら『俺なら大丈夫です』とか言って出そうだけどね｣

｢そんなことして他の選手に風邪をうつしたら、大伍は一生クラハ出禁ですよ｣

石｢厳しいけど正論ですね(笑)ユキも調子は上がって来てるし、大伍が無理そうならユキを使うのも手ですね｣

その後もしばらく話し合いは続いたんだけど……

なんだか、見られてるような気がして気になる。

こんなこと言ったら、｢自意識過剰｣なんて笑われそうだから言わないけど。

監督室で会議なんて、今まで何度もやってきたのに。
こんな変な感覚は初めて。

あんまり気にしすぎるのも良くないか。

とりあえず今は、作戦会議に集中！

最近、チームの何かがおかしいというか、歯車がかみ合ってないような感じがする。
目に見えて変化があったとかじゃなく、何となく。
確信は持てないんだけど、あれ？と思うことが度々ある。

実際に、直近の３試合でも思うような結果が残せていない。

なんとかドローに持ち込んだ後の2試合は、今季初の連敗。
試合直後は重苦しい雰囲気が漂っていたけど、なんとか連敗を抜け出そうと選手もスタッフ陣も奮闘している。

絶対に、勝つ。

選手の思いを結果として残したい。
その一心で戦術の話し合いは続いた。