君は何を思う３

１４２話〜大伍side〜 ページ44

今朝、練習前にAコーチが入院したと聞いた。

何も知らなかったみんなは驚いてざわついてる。
俺も知らなかったけど。


でも昨日、何となくAコーチの顔色が悪いような気はしてた。

以前から体調はあんま良くなかったみたいだけど、｢どうなの？｣って聞けば｢大丈夫｣って返ってくるし。
｢病院で診てもらったら？｣と言えば｢余計なお世話｣と一蹴された。


俺には｢体調管理はちゃんとして！｣なんてしつこいくらいに言うくせに、自分の事となると｢休んでられない｣とか言ってんだよな。

あなたが言った言葉、そっくりそのままお返ししますよ、って何度言い掛けたことか。
言ったら怒るから言わなかったけどね。俺大人だから。


さすがにキツかったのか、ちょっと前に診てもらったみたいだけど。どっかのちっさい医者で。
どうせなら大きい病院でちゃんと診てもらったらいいのに。
変なトコで頑固だよなー(笑)


｢迷惑かけられない｣なんて口癖のように言ってたけど。

結果的にどうよ？

まあ、チームのみんなは迷惑だなんて思ってないと思うけど。


何やってんだか、あの人は。

チームの事を考えてくれるのは有難いけどさ、もうちょっと自分の事も大事にして欲しいよね。




優磨｢俺、Aコーチのお見舞いに行こうかな｣

大｢お前はAコーチより白衣着た女医とかナース目当てだろ｣

優｢や、そんなことないですって(笑)｣


顔が笑ってんぞ！優磨(笑)
お前なんか相手にされねーから心配すんな(笑)



……俺も落ち着いたら様子見に行こうかな。

つうか、お見舞いって何持ってけばいいんだ？
食いもんは……食事制限とかされてたら無理だろうしなー。


優｢大伍さん、何難しい顔してるんすか？あ！白衣の天使のやらしー想像してたんでしょ!?｣

大｢ちげーし(笑)お前と一緒にすんな｣

優｢つまんねー(笑)｣


変なこと言ってる優磨の頭をべしっと叩いて、ウォーミングアップに取り掛かる。


あ、そういやAコーチの入院先どこか知らねえや。
LINEしたら返事くるかな？

って、本人に聞くのもなんかなー。

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