君は何を思う３ (ページ43)

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１４１話ページ43

≪もしもしヒロくん？ごめんな？うちのバカダンナが≫

千尋｢いや、なぎささんもお疲れ様です｣

どうやら電話の向こうはユウ兄の奥さんのなぎささん。

なぎさ≪Aちゃん大丈夫なん？≫

千尋｢今は落ち着いていて、起きてますよ｣

なぎさ≪そ？悪いけどちょっとAちゃんと代わってや≫

ユウ兄もなぎささんも声が大きいから会話なんて筒抜けで、何も言わずにヒロ兄から電話を受け取った。

｢もしもしなぎささん？Aです｣

なぎさ≪おー。Aちゃんが倒れるなんてどないしたん？≫

｢やー、私もまだ詳しい事は知らなくて｣

なぎさ≪あんま無理せんといてな？ユウくん、仕事ほっぽって鹿嶋行く！とか言うてんねんで？アホか！教師失格や！って頭はたいといたわ≫

｢ユウ兄が来たらますます具合悪くなるから来ないでって言っておいてください(笑)｣

なぎさ≪せやな(笑)ま、Aちゃんも30過ぎていい歳やし、自分大事にな。あと支えてくれるパートナー見つけたほうがええで。ま、私は相手間違うたけどな(笑)≫

｢ははっ(笑)｣

なぎささんの、こってこての大阪弁での自虐ネタには笑うしかできない(笑)

なぎさ≪じゃあね。お大事にねー≫

そう言って電話はプツリと切れた。

ヒロ兄｢ユウ、相変わらずだな。Aの事が好きすぎて面倒くさい(笑)｣

｢なぎささんがいなかったら暴走してたね(笑)｣

電話がひと段落した頃、お母さんが病室に入ってきた。
私を見てくれたという先生も一緒に。

そこで、私の検査結果を伝えられた。

甲状腺機能低下症。
それによる食欲不振による栄養失調。

先生｢ホルモンバランスを維持するために、これからずっと薬を飲み続けなければいけません｣

えー、ずっと？
面倒だなあ。

心の声が顔に出てたのか、ヒロ兄から｢嫌そうな顔しない！｣と頭を叩かれた。

先生｢あと……アントラーズのコーチをなさってるんですよね。私もアントラーズサポーターなんでよく存じ上げてますよ｣

さすがホームタウン。
そこかしこにサポーターがいるのね。

薬を飲むのは面倒だけど、飲み続けていればスポーツをしても大丈夫だから、と言われ、まだサッカーを続けられることにホッとした。

とりあえず、体調が回復するまで1週間は入院と言われた。
今すぐにでも復帰したかったけど、｢あなたは頑張り過ぎたんですよ。神様がくれたお休みだと思ってゆっくり休んでください｣と言われた。