君は何を思う３ (ページ37)

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１３５話ページ37

隣人『ちょっと！うるさいよアンタ！静かにしろよ！』

西倉｢うるさい！黙れ！なあA、俺と一緒に遠い国へ行こう？｣

大伍に電話をしている最中、何事かと外に出てきたアパートの住人が西倉さんに注意をしていた。
西倉さんのただならぬ様子に異変を感じたのか、住人の何人かが制止しようとしているようだった。

西倉｢他の男にとられるくらいなら死んだ方がマシだ！A、一緒に死のう？｣

海外逃亡から一気にそこまで飛躍しちゃう!?
もう西倉さんにはなにを言っても無駄だと感じた。
頭がおかしいよ……。

住人｢何言ってんだお前！えーっと……池澤さん。でしたっけ？大丈夫ですか？｣

｢はっ、はい…｣

数人掛かりで西倉さんをドアから引き離そうとしているのが分かる。
そこへ聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。

大｢Aコーチ！｣

｢あ……大伍！｣

大伍が来てくれた。
いきなり電話かけちゃったけど、文句も言わずに来てくれた。
それだけでホッとして、涙が出そうだった。

西倉｢お前……西……！お前なんかにAは渡さねえぞ！｣

大｢大人しくして！｣

ドアの向こうで繰り広げられる、西倉さんとの争い。
数人掛かりで、西倉さんを抑え込もうとしている様子。

大｢すみません。110番したので、もう少しこの人抑えるの手伝ってもらえますか？｣

住人｢ＯＫ！｣

お願い、怪我だけはしないで……。
西倉さんの暴走が少し落ち着いてきところで私も少しずつ冷静になってきた。
助けて欲しい一心で大伍を呼んじゃったけど、これでもし大伍に何かあったら、と考えたら、自分のしたことに後悔の念が押し寄せる。

まもなくして警察が到着して、西倉さんは連行された。

住人｢池澤さん、もう大丈夫ですよ｣

｢あ……ありがとうございます｣

ドアロックを外してゆっくりドアを開けると、お隣さんの大学生風の男性と、そのお隣のサラリーマンの男性、そして息を切らした大伍の姿。

｢みなさん、本当にありがとうございました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません｣

深々と頭を下げると、｢女性に怪我が無くてよかったです｣｢怖かったですね｣と声を掛けてくれて、安心して涙が出てきた。

それから少し警察に話を聞かれて、後日詳しく話をするために警察署へ出向くことになった。