119話 ページ20
今年の私は、厄年か何かでしょうか?
体の不調に加え、身の回りで気味の悪い事がたまに起きる。
「まただ……」
練習を終えて帰ると、ポストに一通の封筒。
≪池澤A様≫とだけ書かれていて、私の住所はおろか、送り主の住所、氏名も書かれていない。
切手も消印も無い。
そしてその封筒の中には。
「これ今日の……?」
数枚の写真が入っている。
すべて、私が写っているもの。
最初の頃は『練習頑張ってください。応援しています』なんて書かれたメモが同封されていたのだけど、最近はちょっと違う。
『新しいスパイク、似合ってますね。だけどあなたには赤のほうがもっと似合う』
『ジャージの隙間から見えたネックレスは誰かからのプレゼントかな?今度私にもプレゼントさせてください』
ハッキリ言って気持ち悪い。
さすがにちょっと不安になって、皐月に相談してみた。
皐月≪警察は……どうだろうね?今の段階じゃ話聞くだけで、動いてくれないかもしれないよね。近くに誰か相談できる人いないの?≫
「そんなのいないよ」
皐月≪西さんは?近くに住んでるんでしょ?≫
「大伍にそんな事言えるわけないでしょ。単なる仕事仲間なんだし、プライベートな相談なんてできないよ」
皐月≪でも一人で抱え込むのも限界があるからね?また何かあったらいつでも連絡して。私も、旦那も協力するから≫
「ありがと。とりあえず、いつも以上に周りに気を配るようにするよ」
皐月との電話を終えて、ひとつため息を吐く。
ストーカー…とは思いたくないけど、それをにおわせるような出来事が自分の身に起きてる。
さて、どうしたらいいか……。
うーん、と頭を悩ませていると、不意にスマホの着信音が鳴って体がビクッと反応する。
ディスプレイには西倉さんの名前。
知っている人からの電話にホッとして、西倉さんからの電話に出た。
西倉さんからの電話は、ご飯を食べに行こうというお誘いだった。
最近会ってなかったし、ちょっと今回の不気味な出来事について相談してみようと思って誘いを受けた。
西倉さんには失礼かもしれないけど、彼はチーム関係者じゃないから相談しても影響はないよね。
それに私より10歳上で大人な対応のできる人だし、何かいいヒントが貰えるかもしれない。
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年12月23日 0時