57話 ページ8
優「Aコーチ、俺らメシ行くんですけど一緒にどうですか?」
帰り支度をしてオフィスを出ると、取材で居残りをしていた優磨と駐車場で会った。
健斗も一緒か。
「私が行ってもいいの?」
優「もちろんですよ。俺らもっとAコーチとコミュニケーションとりたいなって思ってたし、健斗に至っては今年加入したばっかで、Aコーチは同期みたいなもんだし」
「そっか……いいよ!ちょうど今日は外食にしようかなって思ってたの」
優「交渉成立っすね。じゃあ行きましょ」
1人飯の予定が思わぬ誘いで3人に。
ワイワイしながら食べるのは好きだし、2人ともっと話したいって思ってたから楽しみ!
−−−−−−−−
3人で来たのは優磨お気に入りだという定食屋さん。
ここのサバ味噌定食が美味しいんすよ、という優磨の薦めで、みんなでサバ味噌定食。
サバの身は厚くて柔らかいし、味も優磨が薦めるだけあってとっても美味しい。
ご飯何杯でもいけちゃうね、なんて言いながら夢中で食べた。
健斗とは、鹿島のサッカーはどう?とかお兄ちゃんもプロなんでしょ?なんて話をして。
一つ一つ丁寧に答えてくれるところは、とっても好感が持てる子だった。
ちょっと照れたときに見せる笑顔が、すっごく可愛くて。
下に兄弟がいない私は、こんな弟が欲しかったなーなんて心の中で思ってた。
「今日は誘ってくれてありがとう。いろいろ話ができて楽しかったよ」
優「俺も楽しかったです。また明日から頑張ります」
健「お疲れ様でした」
店の前で2人と別れて、自宅近くのコンビニまで車を走らせる。
明日の朝ご飯用にヨーグルトでも買っておこう、なんて思いながら店内に入った。
「あ、」
入り口を入ってすぐ。
化粧品売り場を物色する大伍と……一人の女性。
私の声に気づいた大伍も、「あ、」と一言発してバツが悪そうに視線を泳がせる。
あー、分かった。
この人が菜緒子さんだ。
元カノと一緒?ってことは、ヨリ戻したのかな?
それなら邪魔しちゃいけないよねー、と思って、それ以上は声を掛けないで大伍の横を通り過ぎた。
いや、通り過ぎようとした。
けれど、大伍の方から声を掛けてきた。
大「今帰り?今日早かったんじゃないっけ?」
「え、ああ、うん!早かったよ?優磨と健斗とね、ご飯食べに行ったの!それで、その帰りなの!」
まさか話し掛けられるなんて思ってなくて、思いっきり挙動不審になってしまった。
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タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時