君は何を思う２ (ページ43)

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９２話～聖真～ページ43

｢ごめんね。電話、かけてもいいよ｣

Aコーチに言われて、そう言えば電話番号の交換をしてる途中だった、と本来の目的を思い出した。

電話帳からAコーチの番号をタップして、一回、コール音を鳴らして切った。
さっきと同じ着信音が一瞬流れたAコーチのスマホには、俺の番号が表示されている。

聖｢……大伍君もAコーチの番号知ってるんだ？｣

｢え？ああ、うん。ちょっと前にね。偶然近所住んでることが分かって。それで｣

聖｢そう、なんだ｣

｢聖真？どうかした？｣

聖｢いや、なんでも。……はい、俺の番号入れといてね｣

｢うん。……オッケー。じゃあ明日、終わったらね｣

聖｢了解。……あのさ、｣

｢ん？まだ何かあるの？｣

聖｢好きな時に電話してもいい？｣

俺の質問に、一瞬キョトンとした様子で目を丸くするAコーチ。
でもすぐにいつもの笑顔になった。

｢いいよ。毎回出られるかは分かんないけど。でもおもしろいね｣

聖｢面白い？｣

｢だって。毎日のようにクラハで顔合わせてるんだから、その時に話せばいいのに(笑)じゃ、私行くね。おつかれ！｣

そう言ってAコーチはギプスの嵌められた右手を不自由そうにしながらミーティングルームへ向かった。

聖｢……はあ～。クラハじゃみんなと同じじゃん(笑)それじゃダメなんだって｣

Aコーチって、結構鈍そうだしなー。

聖｢ま、仕方ないか｣

とりあえず明日、どこで飯食おうかな。
誘ったはいいけど、約束取り付けるのに必死で考えてなかった。

あとで調べてみよっと。