89話 ページ40
1stステージ優勝の翌日。
チームは二日間のオフになって、私は病院で怪我の具合を診てもらった。
まだギプスは外せないなあ、と言われて嫌な顔をしたら、「分かりやすくて診察しやすいですね」と先生に笑われた。
西倉「池澤さん」
病院の帰り道、コンビニに寄ったら西倉さんにバッタリ。
仕事帰りみたいで、ワイシャツ姿だった。
「西倉さん、お久しぶりです」
西倉「1stステージ優勝、おめでとうございます。僕もあの場にいたんですよ」
「そうだったんですか!応援、ありがとうございました。おかげでステージ優勝できました」
西倉「青木選手とのハグ、なんかジーンとしちゃいました」
「見られてましたか(笑)青木さんには、たくさんお世話になりましたから」
西倉「ちょっと青木選手が羨ましかったです。池澤コーチとハグしてるー!って(笑)」
「ええっ(笑)」
西倉「あなたのファン、結構いるんですよ?あっ、そうだ。ちょっと待っててください」
そう言うと、西倉さんは急いで車のほうへ戻って行った。
何かゴソゴソと探してるのかな……?
西倉「これ、優勝のお祝いです。たいしたもんじゃないけど、受け取ってください」
そう言って差し出されたのは小さな紙袋。
「私に?いいんですか?」
西倉「はい。僕は池澤コーチのファンでもありますから」
「ありがとうございます」
西倉「年間1位とれるように応援してます。頑張ってください」
「もちろんです。みなさんの応援が何よりのパワーになりますから、よろしくお願いします」
それから西倉さんにツーショットをお願いされて、インカメで写真を撮った。
ありがとう、と嬉しそうに笑った西倉さんは、爽やかな笑顔で帰って行った。
同じ10歳上でも、うちの兄となんであんなに違うのかなー。
あの爽やかさ、ちょっと兄に分けてもらいたいくらいだわ。
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タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時