70話〜大伍〜 ページ21
「何?」
大「や、何も?」
「料理って結構楽しいんだね。また作ろうかな」
大「単純(笑)」
「なんですって?」
大「いや……すいませんでした」
「冗談だよ(笑)ね、作ったらまた食べてくれる?」
大「もちろん。なんなら定期的に作ってくれてもいいよ」
「何で上から目線なのよ(笑)でも……たまにならいいかなー」
大「まじで?」
「うん。大伍の栄養管理も兼ねて」
あ、そういうこと?
俺、監視されちゃうんすか(笑)?
「なんて顔してんの」
大「え?」
「今、何か期待してたでしょ?『俺の事を思って作ってくれるのか』って。管理目的でがっかりした?」
大「してないし」
嘘。
ちょっと思ってた。
でも悔しいから本当の事は言わないよ。
「どっちでもいいけど。でもまた作りたいな。今日楽しかったからさ。誰かと会話しながら食べるのも、美味しいって言ってくれる人がいる事も」
大「じゃあ、作ったら教えてよ。食べに行く」
「いいの?あ、今度は大伍の家で作ろうよ」
大「俺んち?」
「そう。大伍の家で作ったら、次は私の家で。交互に行き来する感じでさ。ダメかな?……あ!えっちな本とかDVDとかあるならやめとくけど!」
大「無いよ(笑)」
「え、無いの?」
大「え?ダメ?」
「健全な成年男子の部屋には必ず置いてあるものじゃないの?」
大「それ偏見(笑)健全な成年男子でも全員がそうとは限りません」
なんの会話をしてるんだ(笑)
しかしAコーチ、俺の家がどんな風だと思ってるんだろう。
優磨とか、満男さんみたいに雑じゃないからね?
試合前のロッカールームとか見たらわかるでしょ?
キチッと整頓されてるんだから。
大「いいよ、今度はうちでも」
「じゃあ決まりね!」
そう言って楽しそうに笑うAコーチは、きっと何も考えてないんだろうな。
面白そう、それだけでこんなに楽しそうにできるなんて、ちょっとうらやましいよ。
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タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時