君は何を思う２ (ページ19)

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６８話～大伍～ページ19

なんかソワソワしてしまう。

無駄に鏡で身だしなみをチェックしたりして。

さっき普通に会ってたじゃんね。
くたびれ気味のＴシャツにいつもの短パン。
おまけに風呂上りに乾かして放っておいたボサボサの髪の毛。

この間買ったＴシャツに着替えて、短パンもちょっといいヤツに履き替えて。
髪の毛もちょっとだけ手を加えたりして。

って、初デートかよ(笑)

Aコーチの家にメシ食いに行くだけじゃん。それにお友達と娘ちゃんも一緒だし。

ガラにもなく緊張してる？
女性の部屋に入るのなんて久しぶりだもんな。

大｢あー……｣

自分の部屋なのに妙に落ち着かなくて、ベッドにダイブするように倒れ込んだ。

と、そこへAコーチからのLINE。

≪お待たせー。来ていいよ≫

それだけかいっ(笑)

想像より遥かにさっぱりしたメッセージに小さく笑って、了解、とスタンプを送信。

｢さて。行きますか｣

一つ、気合を入れて玄関を出た。

―――――――――

｢いらっしゃーい｣

大｢お邪魔します｣

玄関のドアが開いてAコーチが迎えてくれた。

中に入ると……

あれ？

大｢お友達は？｣

一緒にご飯を食べるって言ってたお友達の姿が無い。
そういや、玄関にも靴が無かったような？

｢やー、それが……｣

大｢何？｣

｢帰った！｣

大｢そうなの？お友達、一緒にご飯食べるって張り切ってなかったっけ？｣

｢そうなんだけどね。上の子が熱出したらしくて。30分くらい前に帰ったの｣

大｢そっか。お母さんって大変だな。……いい匂いがする｣

｢あ、うん。ご飯出来てるよ。食べよう？大伍、そこ座ってて｣

大｢や、俺も手伝うよ。その方が早いっしょ｣

｢じゃあ、お願いしようかな。……ありがと｣

こっちだよ、とキッチンに向かうAコーチの後について、俺もキッチンに入る。

まさかのAコーチと2人でご飯。

練習ではいろいろ話すけど、こういう時ってどんな話したらいいんだ？