66話 ページ17
大「でも、楽しみにしてる」
「え?」
大「誰かの手料理食べることなんて無いし。あっても、ヤスの奥さんくらいだし。誰かが俺の為に作ってくれるなんてここしばらくなかったから。だから、楽しみにしてる」
「あ……。うん。でもあんまり期待されても、私そんなに料理得意じゃないから」
大「今言った事聞いてた?Aコーチが作ってくれるのが嬉しいの。じゃ、後で連絡ちょうだい。それじゃ、失礼します」
大伍は、皐月に向かって会釈をしてその場から離れた。
「……」
皐月「『Aコーチが作ってくれるのが嬉しいんだ』だって。何?すでに脈ありなの?」
「そういうのじゃないってば。皐月、ちょっとウザいおばちゃんっぽいよ」
皐月「失礼ね!まあいいわ。Aに遅い春がやってくるかもしれないもの。ほら、買い出し行くよ!」
俄然張り切りだした皐月が、早く早く、と私を急かす。
「まって。私お財布持ってきてない」
皐月「そんなの、私が払うよ!」
「主婦がそんなんでいいの?旦那さんのお給料なんでしょ?大事な生活費なんじゃ……」
皐月「ダンナの給料は私が管理してるし、生活費はちゃんと分けてあるから大丈夫!それに、これは私が自由に使っていいお金だから問題なし!」
そう言って皐月は自分の財布をヒラヒラと振って見せた。
「ダンナさん、尻に敷かれてるのかな……」
皐月「なんか言った?」
「いや、何も」
とりあえず、ここは逆らわない方がよさそうだな。
りっちゃんを抱っこして、夜のご飯は何にしようかー?なんて話しながらスーパーへ向かった。
91人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時