64話 ページ15
「りっちゃん、お外で遊ぼうか!」
皐月「あ、話逸らしたな?」
「そんなことないよ?ほら、天気良いし、公園も近くにあるから」
皐月「しょうがないなあ〜。Aはこの手の話は苦手だもんね。しょーがない、じゃあ私はコンビニでも行ってこようかな」
「え?りっちゃんどうするの?」
皐月「Aが外で遊んでくれるんでしょ?将来自分が子供を授かった時の練習だと思えばいいじゃない。里菜も懐いてるし、私は3時のおやつでも買ってくるわ」
よいしょ、と財布を手に立ち上がる皐月につられて、私もりっちゃんを抱いたまま立ち上がる。
「じゃあ、まったりオレンジヨーグルト買って来て」
皐月「ああ、最近のお気に入りだっけ?お安い御用で」
これくらい頼まれてくれなきゃ、子守なんてやってられないよ。
りっちゃん、見た目は小柄だけど、パワーはすごいから。大人がスポーツするのと子供がはしゃぎまわるのとじゃ、まったく質が違うんだから。
子供は常に全力。30を迎えた私にはちょっときついのよ。
りっちゃんに靴を履かせて、3人で外に出る。
この時期にしては過ごしやすくて、外遊びにはもってこいの天気。
公園は大人の足ではすぐだけど、りっちゃんが歩くにはちょっと遠い。
りっちゃんたってのお願いで、私がりっちゃんを抱っこして公園まで行くことに。
と、そこへ。
「あ、大伍」
同じタイミングで自宅を出た大伍と目が合う。
チラリと皐月とりっちゃんを見て、大伍が私達のそばにやってきた。
大「こんちは。……友達?」
「うん。高校時代のサッカー部の仲間で、ずっと仲良しなの」
大「へえ。初めまして。西大伍と言います」
皐月「初めまして。Aの友人の相沢皐月です」
大伍が軽く会釈すると、皐月も同じようにペコリと会釈をして自己紹介をした。
皐月「2人は、どういう……?」
「あ、大伍はアントラーズの選手なの。家がすぐ近くで。ご近所さんなの」
皐月「へぇ〜。ついにAに彼氏でもできたのかと思ったよ」
「ばっ、……なに言ってんの!そんなわけないじゃん!大伍ごめん。皐月が変なこと言って」
大「いや、俺も似たようなこと思ったから」
「え?」
大「その子……」
そう言って大伍はりっちゃんに視線を移した。
「私の子じゃないから!皐月の娘のりっちゃんだよ」
大「だよね(笑)隠し子でもいるのかと思った」
皐月といい大伍といい……私の事なんだと思ってるの。
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タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時