51話 ページ2
「大伍は自炊はしないの?」
大「あんまりしないなあ。俺が作ると失敗するもん」
「最初から上手にできる人なんていないって(笑)サッカーと同じで、練習すれば上手になるよ。私が教えてあげようか?」
大「いいよ別に」
「スポーツ選手がそんな食生活でどうするの。あ!…わかった!」
大「何?」
「代わりに作ってくれる彼女いるんでしょ?だからやらないんだ?」
大「なんでそういう発想(笑)俺、彼女いないもん」
「だめじゃん」
大「なんでだよ(笑)」
「いい年した男が彼女もいないなんて寂しい。橋本トレーナーが言ってたみたいに、早く言い人見つけて支えてもらいなよ」
大「余計なお世話(笑)まあ……ちょっと気になってる人はいるけどね」
「え!嘘!片想い!?大伍が片想いしてるの!?」
大「そういうのじゃなくて……って、なんで笑いこらえてんの」
あ、簡単にバレた(笑)
笑ったら、絶対怒るか拗ねるだろうなって思ったからガマンしたつもりだったけど……。
私が欺くのが下手なのか、大伍の観察眼が鋭いのか。
「だってさ、大伍が片想いとか。似合わな過ぎて(笑)」
大「さっきから失礼だな、うちのコーチは。それに俺より自分の心配したほうがいいんじゃないの?」
「なんで?」
大「Aコーチのほうが年上なのに、独身で男の影も見られないから」
敢えて触れないでいたのに(笑)
「私はいいのっ!一生独身でもいいもん!」
大「強がり(笑)周りがどんどん結婚して子供もいて、幸せそうなの見て焦ってない?」
「そんなこと無いし。私はサッカーが好きで、今の仕事にやりがいを感じてるの」
この言葉に嘘はない。
いろいろあってサッカーから離れたこともあったけど、やっぱりサッカーが好きで、離れてもまた戻ってきてしまう。
それに、アントラーズでの仕事は大変なことや辛いこともあるけど、それと同じかそれ以上に幸せな時間を過ごさせてもらってる。
大「ま、いいんじゃない?」
「え?」
大「自分のやりたいことがあって、それに向かって頑張っているうちは……恋愛は二の次でも。結婚とかは自分にあったタイミングでするもんだと思うし」
「うん……。そうだね。私は後悔したくないし、やりたいことを極める。まだまだコーチとして頑張りたい」
大「いいねぇ」
その向上心、俺も見習わなくちゃな
大伍に負けないくらいストイックになるから
そんな話をしながら、お互いに笑い合う。
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タカゆき - 再開楽しみにしています。ご自愛下さい (2018年3月29日 23時) (レス) id: c542140ed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年7月31日 23時