１４話 ページ15
ある日の練習。
監督｢じゃあ、今日の締めとして紅白戦やろうか｣
という監督の声で組み分けがされていく。
そこへ柳沢コーチが余計なひと言を。
柳｢どっちかのチームにさ、Aコーチも入ってもらおうよ。おもしろくなりそうじゃない？｣
｢はあっ!?｣
監督｢おもしろいね。よし、じゃあ……Aコーチはビブス組のＦＷで。挨拶がわりに暴れてやってください｣
監督までノリノリで勝手に決めちゃってるし。
私、まだやるなんて言ってないんですけど！
｢監督、私はいいですよ。レフェリーやりますから。柳沢コーチか大岩さんを入れてください｣
柳｢それじゃあ意味が無いよ。俺らはもう前からやってるし、Aコーチのお手並み拝見といきましょう｣
監督｢ということなので……。Aコーチ、入ってくれますか？｣
｢……分かりました｣
本当はあまり気乗りしないんだけど、そんな事言ってられないよね。
一度だけなら、と思ってビブスを受け取って、チームの輪に混ざる。
ツートップを組むのは、私と優磨。メンバーと動きの確認をして、大体のイメージを掴む。
相手チームは主力クラスかー。
久しぶりだからちゃんと動けるかな？
監督｢ゲームは15分ハーフで。準備はいいですか？｣
ピッという笛の合図で、ミニゲームが始まった。
オフ明けで間もないとはいえ、主力組はやっぱり上手い。
サブが主体のこっちのチームも食いついてはいるけど、食いつくだけ。
なかなかエリア内に進入出来なくて力の差は歴然。
｢太郎！こっち！｣
ボールを要求すれば、サイドに開いていた太郎からスルーパスが入る。
そこへすかさず、大伍と源がプレスを掛けてくる。
あ、でもこれ……
｢よっ、と｣
源から体を寄せられたけど、ヒールで源の股抜きに成功。
意外と簡単に抜けられた(笑)
たぶん、源は遠慮してるな？
プレスをかわしてエリア内に入ると、そのまま思い切り足を振りぬいた。
けどそれはゴールポストを直撃。
その勢いでボールはタッチラインを割った。
｢あああああ〜！入らない！｣
やっぱり感覚が鈍ってるのかなー。
全然的外れな所に飛んで行っちゃった。
その後も主力組に押されて2点を入れられて、残り時間3分。
負けず嫌いの性格が久しぶりに顔を出す。
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作者名：彩女 | 作成日時：2016年3月28日 23時
