ＣｈｉｋｕＴａｋｕ〜第２章〜

【５２】 ページ10

侑「言い逃げするの？」

涼「・・・・・」

侑「涼介の気持ちわかった。今度は僕の話聞いてくれる？」

涼「うん・・・」

侑「コーヒー淹れるから座ってて」

知念の話が怖い。

『もう近づくな』とか『気持ち悪い』『大嫌い』って言われるんじゃないかと思うと、今さら自分の気持ちを伝えたことを後悔してしまう。

侑「はい。涼介砂糖いらないよね？」

涼「うん。ありがとう・・・」

こんな些細なことでも覚えてくれてるのが嬉しい。

しばらく沈黙が続いて、知念がゆっくり話し始めた。

侑「・・涼介の気持ち嬉しかった。ありがとう」

涼「うん・・・」

侑「最初に言っておくけど、僕は涼介のこと気持ち悪いとか思ってないからね」

涼「え・・そうなの？」

侑「当たり前じゃん。何年一緒にいると思ってるの？」

涼「でも、俺は知念に恋してるんだよ？男が男に恋してるの何とも思わないの・・・？」

侑「思わない。しかも、涼介だから嬉しい」

涼「嬉しいんだ・・・」

期待してもいいですか・・・。

侑「涼介のことは大好きだよ。でも、これが恋かって言われたらわかんない・・・」

やっぱダメか・・・。

侑「でも、今ここで涼介をフることもできない。中途半端でごめんね」

涼「ううん」

知念なりに精一杯応えてくれたんだから嬉しいよ。

でも、今は涙を堪えるのでいっぱいいっぱい。

侑「・・僕のわがまま聞いてくれるなら、僕に時間をくれないかな？」

涼「時間？」

侑「宏太のことで忘れちゃってたけど、僕まだ涼介を好きになる途中のような気がするんだ。僕も・・涼介に恋心を抱いちゃうかもしれない・・・」

涼「抱いちゃうの？」

侑「９０％」

涼「１０％が怖いな(笑)」

侑「１００％になるまで待ってて。そしたら、その時は僕から告白するから」

涼「期待しちゃうよ？」

侑「うん」

涼「俺、アタックしまくるからね」

侑「頑張ってね！」

涼「・・ありがとう」

侑「僕の方こそありがとう」

知念に想いを伝えてよかった。

知念の気持ちが１００％になるまで俺はアタックを続ける！

今の俺には、伊野ちゃんと雄也と圭人のことは頭になかった。

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