心 × inar

リハビリ ページ5

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大ちゃんが体育で出来るようになった事を無事(笑)見せてもらって褒めたら、上機嫌になってくれた。


六限目が体育だったからそのまま教室で、オレが信頼してる友達と電話の時間。






伊｢よし、ちょっと電話するから待っててね？｣

有｢うん、待つぅ！｣






施設の方とオレの親とが掛け合ってくれて、一般の高校に入学を許可してくれたんだよね。

そこで出来た友達。
大ちゃんの事は、学校中が多分知ってるはずで､､



大ちゃんはオレ以外シャットアウトしちゃってるのよね。





伊｢あ、もしもしー、オレー。｣

有｢ねーぇ、ぎゅぅ、｣

伊｢ん？あ、待って、…、はい、大ちゃんおいで｣

有｢くふふっ｣







電話してる間にも寂しいと感じたのか、肩に顔を押し付けてぎゅうぎゅうしてくる。笑

でっかい赤ん坊抱えてる気分。







伊｢ごめん、うん、笑……あは、やべぇ笑、ホント好きだなお前。笑｣





今電話してるヤツは、大ちゃんの事をちゃんと考えてくれてる。

ずっと会ってみたいって言ってくれてるんだ。

けどまだ恐怖症が治ってるわけではなくてさ、…でも折角こう言ってくれる人が現れて克服が出来るチャンスかなって。





伊｢んー、…どうなるかは分かんねぇけど…､､ オレ自身もね、手が足りないから…｣





そう。
オレ一人で大ちゃんを見るにはそろそろ無理が出てくると思うんだよネ…





伊｢んじゃ、電話変わってみるね？……、大ちゃん？｣

有｢なーに？｣

伊｢大ちゃんと、お友達になりたいって言ってる、オレの友達なんだけど…｣

有｢…ん？｣






体育で疲れたのか、今度は胸あたりに頭をグリグリしてる大ちゃん。
オレが話したこともちゃんと理解してるのか、してないのか…。






伊｢お話、してみよ？｣

有｢…っ、やだｯ､……こわいっ｣

伊｢でも、オレの大事なお友達なの…、大ちゃんが誰かとお話してるところ、見てみたいなぁ､､……そっか、すっごく残念だなぁ…、悲しいなぁ｣






騙してるようで胸が痛いけど、大ちゃんのやる気には、こういう言い方が一番。


オレが悲しそうな顔をすると、それが嫌なのか行動しようと頑張ってくれる。






有｢うぅっ、いのちゃんは、うれしい…っ？｣

伊｢…大ちゃんと、オレの大事なお友達が仲良くなってくれたら、すぅぅーっごく嬉しいな｣

有｢……っぐす、…、｣








そっと、恐る恐る携帯に手を伸ばす大ちゃん。




…頑張れ。




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