心 × inar

こわい ページ28

.




伊｢大丈夫だよ、ほら、オレここにいるからね､｣

有｢んんぅうっ､いのちゃ、いかないでぇっ！！やだぁあっ！！｣

伊｢ここにいるでしょう？…だいじょーぶ、どこにも行かない、行かないよ？｣








夜中、だいちゃんは枕を持ってオレの部屋へと来た。



その時は、抱きついてきて眠ってしまったから…。

いつもみたいに、ただ甘えてくるだろうと思ってたのが間違い…





その30分後。





それが、今だ…








伊｢だいちゃん、怖い夢みたの？｣

有｢やっ、いのちゃっ！！…んんっ、いのっ、いかないでぇえっ！！ひぐっ、ぅううっやぁあのっ｣

伊｢うん…よしよし、大丈夫だよ…っ、おいで、…｣









……なんの夢を見てしまったのか。


親の夢か？
昔の記憶の夢？






そういえば ..




" 行かないで "





必死でオレを引き止めてる､､



…オレが関係すること…？






有｢…っ、いのちゃっ！！も､どこもいかないでぇっ！！｣

伊｢行かないよ、だいちゃんと一緒だからね、だぁいじょぶ、…｣








今までの経験からすると、だいちゃんが見る夢は基本的に過去に起こった恐怖。

色濃く残っているもの…

衝撃だったこと…







有｢っ、ひっく、…い、のちゃっ…､いなくなっちゃやだっ！！！｣

伊｢！！…｣








…分かった………


この前の、、事件……。






あの時…確か、だいちゃんを襲うアイツらから庇うようにしてたっけ…




気づいたら背中を切られてて､､

腕の中で泣き叫ぶ だいちゃんの顔を最後に…オレは意識を失った…





もし…、もし それが夢に出てきたなら､､







伊｢だいちゃん、オレは死んでないよ、黙ってだいちゃんから離れるなんて事、絶対にしない。
…オレとだいちゃんは、何があったって一緒だからね、…約束。｣







両手で顔を挟んでしっかり目を見て、ゆっくり話してあげる。


ポロポロ流れる涙を 親指で ス､と拭ってやると少しパニックも治まったみたい。







有｢ひっく、…っ、い、ちゃん…ｯ…いのちゃ､…ｯ｣

伊｢ん、…怖かったね、ごめんね。…もうあんな事ならないようにするから…。｣








しゃくりあげながら、一生懸命、……本当に命をかけているかのように、オレの首へと抱きついてくる。









有｢…こわっ、たの…、いのちゃ、しんじゃうのっ……、｣

伊｢うん、｣









…もしそれが逆だったら……





オレはどうなっちゃうんだろう…。





.

こわい→←仲良くなるまで

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す