心 × inar

まるごと全部、大好きだから ページ18

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有｢…｣

伊｢…大ちゃん、？｣







大ちゃんの様子がおかしい。
そう気づくのに、時間はかからなかった。


明らかに いつもと違う、虚ろな目をして…
ぼんやりと、どこか遠くを眺めてる。






伊｢だ…いちゃん、｣

有｢…ふふ、｣







…なんだろうか、多少の恐怖…狂気を感じる。


初めて見る顔、雰囲気…






有｢…、｣

伊｢どこ行くの？｣






声すら届かないのか、自分の部屋へ行ってしまった。






伊｢……｣





オレはというと、今まで見たことない だいちゃんを目の当たりにして、ただ呆然としている…






そして、また…オレが見ていなかった間に起きたことが何かあるのか。





と、そんな時 聞こえてきた声…






__ ... くふふ、ふふっ .... ___








伊｢！？｣




だいちゃんの、笑う声…。
だけど、いつもの笑い方なんかじゃなくて…



…嫌な予感がした。






伊｢っ、だいちゃん！｣






急いで部屋に行ってみると…､､








有｢ ... ふふふ、.. だいちゃんは .... んふ、｣

伊｢だいちゃんっ！、やめっ、何してるの！｣

有｢…、…？｣







オレが見たその光景は、残酷で、あまりにも落ち着いている だいちゃんが、心の奥底では苦しそうで…。








伊｢お洋服、どうしたの、｣

有｢だいちゃんは、ぜぇーんぶ、きたないの、.... だからね、今、キレーにしてるとこなの .. くふふ｣

伊｢何言ってるのっ！？だいちゃん！！｣







部屋には脱いだ洋服が散らばっていて、その隅っこで

…いつも隠してた色んな跡をゴシゴシ擦って、そこにガラスの欠片が当てられている。






伊｢っ、そんな事しないで､｣

有｢だってね、あらっても あらっても、おちないの…っ、これ、おちないのっ、｣







…、左足の付け根…。




確かにそこには、大きな傷跡がある。


今は生活に支障はないけど この傷は…切られたものと、……理解し難いものと。






有｢ .. だからキレーにしてるの、..っ｣

伊｢だいちゃん、っ……､ やめよう？…だいちゃんっ｣





傷跡が消えることは無いって、先生から言われた。
けど、…けど。






有｢やだ､ っ、これとって、｣

伊｢だいちゃんっ、一緒に頑張ろうって、言ったでしょう？｣

有｢やっ！はなしてっ！…いっぱい きたないのっ、…せなかも、おなかも、くびもっ…あしも うでもっ！きたな…っ｣




体をタオルでぐるぐる巻きにして、ぎゅう…と抱きしめる。

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