【ハイキュー!!】稲荷崎高校新聞部！#５

傍観者Aの想い ページ3

・侑 side




いま俺の目の前にいる好きな子は、

この先誰を好きになるんだろう、なんて

朝からメルヘンチックな事を考える。


あわよくば俺を好きになればええのに、とか譲る気もないくせに想う。


見過ぎでいたらしい、



「侑くんどうしたの？私のこと見つめて♡」

「…ほっぺにネギついとるよ」

「えっ」



今まで好きになった子でほっぺにネギつけてる奴なんておった？

今まで好きになった子でこんな表情が豊かな子おった？



今まで好きになった子で、

こんなにも欲しいって思った子おった？



きっと、みんなそうなんやろう。

隣に座る片割れも、同じく見てる子は一緒。

角名も、銀も、王子様と言われてるあのピンク頭も。


みーんな、Aちゃんを見ている。



「ほんまよぉモテるわ…」



こんな大人数からモテるなんて少女漫画か、とつまらんツッコミをして虚しくなる。


ぽそり、と片割れが言う。



「……今まで俺らに告白してきた人ってこんな気持ちやったんかな」

「そうやなぁ」




そう、俺らは所謂モテてきた方やから。

こんなにもひとりを想うなんてことなくて


いつも、告白はされる方で

いつも、恋心を抱かれる方で

いつも、告白は振る方で



きっと、双子である治も同じこと考えてるんやろうなぁ、と。

今日も笑顔な君を見てしみじみ思う。



・

報われたい、伝えたい

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