【ハイキュー!!】稲荷崎高校新聞部！#１

いつも笑顔の彼女は ページ22

・治 side




保健室までの道は長かった

まず、目線が痛い、痛すぎる
そしてふと腕の中にいる彼女に目を向ける



「めっちゃ軽いやん…」



何食っとるん、この子と不安に思う
初めてのお姫様抱っこがこんな状態とは…とこれからする予定もないのに嘆く



「失礼します」



保健室にやっとの思いで着くも誰もいない



「とりあえず、ベッドに寝かせるか…」


立花さんをベッドに寝かせ
冷やすもんとガーゼを探す



「…まずこれどこに当てればええの」



鼻血はでていないからオデコか？とオデコに保冷剤を当てれば


「ん……」


立花さんが少し唸り身をよじる


「(声え ろ…)」



やはりあの２人じゃなくてよかったかもしれない…と改めて思う

あの北さんと侑がわかりやすいほど好きな彼女は抱きしめたら折れてしまいそうなほど華奢だった

性格が性格やからもっと頑丈だと思ってた(失礼)



「…んぅ…あれ、ここどこ…」
「あ、起きた」
「へ、治くん…？」

「ごめんな、俺の打ったボールが立花さんに当たってもうて」
「…あ、そうなんだぁ、大丈夫だよ」
「……ほんまにいける？」



いつもより静かすぎる彼女に不安になる
大丈夫、大丈夫ーと妙に間延びした声でベッドから降りようとする。




「まだ寝といた方がええんやない？」
「平気だよー」



そういって立ち上がった立花さんは
案の定、ふらり…と倒れそうになる



「…ほら、言ったやろ…っ」
「ごめ、立ったら頭に激痛が…って、どしたの？」



予想以上に近い顔にドクンっと心臓が高鳴る
これはやばいかもしれない、色んな意味で



「寝とき、保健室の先生探してくんな」
「ごめんね、ありがとう」



いつまでたってもうるさい心臓を抑え、
この気持ちが溢れてしまう前に保健室を飛び出した



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