鳳凰と二度目の人生【ONE PIECE】 (ページ5)

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鳳凰と赤髪（4）ページ5

「熱くないか？」

この言葉に私も首を捻る。
あつい？部屋は別に暑くないけど…。

突然、頭に巻いてあった包帯が落ちていった。血が滲んでいる包帯を見て驚く。

『な、何で外したの！？』

怒り半分で彼を見上げると、彼は心ここに在らずという感じで立っている。

『？お〜い』

「A、起きたの？身体は？」

彼の目の前で手を振っていると、ルフィに呼ばれたマキノさんが部屋に入ってきた。

「ごめんなさいね、私がちゃんと伝えれてなかったから…」

『それは違うよ！私が聞いてなかったからこんな事になったんだよ』

あの時聞いていなかった話はこれの事なんだと理解した。
ちゃんと聞いていなきゃだね。

「あら、どうして包帯が……っ？！」

包帯がされていない頭に気がついて、マキノさんが近づいてきた。と同時に、何かに驚いて口に手を当てた。
思わず私も声が出る。
彼も彼女も様子が可笑しい。

マキノさんは震えながら言った。

「傷が、無い…！」

傷が無い？
多分私の事だろうと思い、恐る恐る額に手を持っていく。傷の近くに手を置いても痛みは無く、思い切って触ってみると

「……無い？」

いつもの肌の感触だった。何度も何度も触ってみるが、痛みも無ければ傷も傷跡も無い。最初から無かった？とは思っても血が滲んでいる包帯がそれを否定している。

ずっと立っていた彼は気を取り戻して私に顔を近づけた。額を見ている。

「お前、何か変なの食わなかったか？」

『変なの？』

記憶を遡らせる。ある記憶の中で変な食べ物と言えば……。

『デコボコした赤い果実を食べたよ。すっごく不味かった。』

言いながら手で実の形をつくって、なおかつ味も伝えると彼は「そうか」と言い離れていった。
そしてまた口を開く。

「それは"悪魔の実"だな。」

『悪魔の実？』

それが何なのか知らないのに、まずいもの食べちゃったなと冷や汗をかいた。