鳳凰と二度目の人生【ONE PIECE】 (ページ4)

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鳳凰と赤髪（3）ページ4

『んっ…？』

私は気を失ったようで、目が覚めた時にはどこかの部屋のベッドの上に居た。
頭の横にあるランタンが今が夜だと教えてくれている。
とりあえずここがどこか探るかと上半身を上げると、全身が痛み出した。

『お、おぉ〜〜？』

素っ頓狂な声を出し、なんとか痛みを逃していると部屋の扉が開かれた。

「おっ、起きたかって…なんつー声出してんだ」

呆れた表情の赤髪を見て顔を赤らめる。
恥ずかしい！

もじもじする私の横にある椅子に座って、彼は自分の額を人差し指で指した。

「頭、大丈夫か？」

どっちの意味！？と聞きたかったが、彼はそんなに失礼ではないと頭を振った。痛い。

『はい、大丈夫です。』

「そう、なら良かった。だが念の為。」

彼は手に持っていた白い粉を、水が入ったコップに注ぐと私に差し出した。
思わず身体を遠のけてしまった。
危ない薬…ではないだろうけど。

「安心しな。俺の船に乗っている医者が処方したやつだ。少し苦いだろうが、痛みが弱くなるから我慢しな。」

普通、海賊のこの言葉は信用しちゃいけないのだろうが、私は彼を信頼しているので遠慮しながらもコップを手に持った。
初対面の人間を何故、信頼しているのだろう。

口に当て、水を飲もうとした時。

「Aーー！！！」

『ぶふっ！』

開かれていた扉からルフィが走って来て、お腹にアタックをしてきた。口に入れた水が勢いよく出て、コップからも出て…ついでに目からも水が出た。

『る、ルフィ…』

「だいじょうぶか！？どこか痛くないか！？」

『全身が痛い…』

ルフィごと腹を抱えると幼い彼は大きな声で「えー！！」と叫んだ。頭に響くのでやめてほしい。

「こらガキ、離れろ」

「なにするんだよ！」

赤髪は涙目のルフィの首根っこを掴んで引き剥がしてくれた。

「お前Aが怪我してんの知ってんだろ？」

「あたり前だ！」

彼に持ち上げられているルフィは離せと言わんばかりに体を暴れさせている。

「ならデケェ声を出すな。Aの傷に響く。」

彼に諭されると、ルフィは「…わかった」と大人しくなった。彼は一つ溜息を吐くとルフィを下ろす。

「おれ、マキノ呼んでくる」

小さな足跡が遠ざかっていく。

『ありがとう、ございます』

私を気遣ってくれた彼に感謝をすると彼は口角を上げ

「ガキが感謝なんかしなくていい。」

と言って頭を撫でてくれた。
その暖かさに身を委ねていると、彼は突然首を捻った。

「なんか、熱くないか？」