鳳凰と二度目の人生【ONE PIECE】 (ページ15)

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鳳凰と一話（4）ページ15

村中を走り回るが、頼りになる人がいない事に気づいて打ちひしがれた。時間が経つたびに焦燥感に駆られる。いつルフィは殺されてもおかしくない状況下におかされているのだ。
時間なんてかけている暇は無いのに……。
目に涙が溜まる。泣いてばかりじゃいられないと分かってはいるけれど、心が迫られまくっているのだ。余裕が無い。

港近くに来ると、不意に波が切り開かれていく音が聞こえた。この独特の音は船の音。私は期待を抱いて港の方へ走った。

ドラゴンか龍か分からない動物を模した船首が付いている船がこちらに向かって来ている。期待は裏切られなかった。あの船は赤髪海賊団のだ。

『おーーーい！！！！』

早く来てほしくて大きく手を振ると、反応をしてくれた人がいた。その人は船の中へと入って行き誰かを呼んだようだ。
次に顔を出したのは麦わら帽子を被ったシャンクスだった。彼は笑顔で私に手を振った。

『助けて！！！』

だが、そんなのはどうだって良い。早く来てほしい。早く、早く。
私の雰囲気から只事ではないと思ったのか、シャンクスは一瞬大きく目を開かせた後、まだ港と船まで距離があるのに…飛んだ。

ん！？飛んだ！？

絶対届かないだろと思ったのだが、彼にとっては造作もないことなのか無事私の方へ着陸した。ますますシャンクスが分からなくなってくる。

「どうかしたのか？」

見事に清々しい顔で私と向かい合った。正直ヒグマよりこの人の方が怖いのでは？と思ったのだが、それを言うと面倒臭そうなので口をつぐんだ。