盗み_38 ページ39
.
純粋無垢な猫ちゃんは其の言葉の意味が分からないようで すいみん…？、と頭上に疑問符を浮かべている。
何してるんだ！
大怪盗だろう私！？
えいっ、と勢いをつけて立ち上がりお得意の笑顔を作る。
『 心配してくれてありがとう！
おにーさんもう行くね、
もう少ししたら必ず皆元に戻るから 』
「 でも…… 」
何か云いたいような顔で私の袖を引っ張ってくる猫ちゃんの手をとり笑いかける。
『 大丈夫、此処は安全だから
それにおにーさん、逃げ足は速いんだよ？
それはもう鶏のように！…なんてね！ 』
そう云って冗談を混じえれば、猫ちゃんは意図も容易く笑顔に成り私も合わせて笑った。
それで安心したのかは分からないけれど、猫ちゃんは私の袖を掴んでいた手を引っ込ませる。
それでは猫ちゃん、またお会いしよう！、と走り乍ら叫ぶと彼女は可愛らしく手を振ってくれた。
「 頑張ってね、大怪盗さん！ 」
尚、猫ちゃんの最後の言葉は大怪盗には届いていなかった様子。
〇 〇 〇
貴方side
『 はぁ……っ……はァ………ッ… 』
朝、と云えるのか分からない時間帯に足を引き摺り壁に寄り掛かり乍らゆっくりゆっくりと前進する。
今日の騒動で私の敵と成ったのは狂人だけではなかった。
脱出に気付いたポートマフィアからの追手、
其れが実に厄介な事で猫ちゃんのような一般人を狂人から守っている途中で乱入してきたのだ。
ポートマフィアの構成員は最下級であっても動き、銃の扱いが洗練された者達ばかり
守る者が居れば其れだけ隙もできる。
傷だらけの身体で過呼吸に成りつつもやっとのことで社員寮の玄関の扉を開ける。
痛い……けど誤魔化さなきゃ
平気なフリをしないと……
誰にも心配させちゃ、駄目なんだ
『 私は…強い、大怪盗サマだからね…ッ 』
………そうでないといけない
靴を脱ぎ捨て静かに洗面所へ足を引き摺ろうとするといきなり後ろへ倒れた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オズ - dGAzIwL2bmd18Yxさん» うあ…嬉しすぎるお言葉……ありがとうございます！！！頑張りますね！！！ (2022年7月13日 20時) (
レス) id: 1d6204a61d (このIDを非表示/違反報告)
dGAzIwL2bmd18Yx(プロフ) - もう、やべぇ、、（文才が天才過ぎて語彙力が4にました）面白過ぎます‼︎続編の更新も楽しみに待ってます (2022年7月11日 1時) (レス) @page50 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
オズ - *深音*(みおと)さん» ああああありがとうございます！！最終回まで頑張って書きますね！！ (2021年8月18日 12時) (レス) id: bf4e4a8e9b (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(みおと)(プロフ) - すっっごい好きです…(語彙力皆無)更新頑張ってください！ (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2e41216803 (このIDを非表示/違反報告)
オズ - テレタビーズ教さん» ありがとうございます！！これからも良いものが書けるように頑張ります！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 886aed0c44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オズ | 作成日時：2021年7月25日 18時
