盗み_21 ページ22
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____僕は女じゃない!
あと華奢でもない!、と抗議すれば包帯くんは雪のように冷たい溜息を零した。
直後に響く鈍い音。
其れは、包帯くんの腕を引き剥がそうと掴んでいたもう片方の私の手が彼の暇していた腕によって壁に縫い付けられた音で
股の下からは彼の右脚が覗く。
『 っ……!? 』
彼の底知れぬ闇が広がる瞳と私の瞳がかち合い、言葉すらろくに喉を通らない。
声が、出ないのだ。
___怖い 、
「 君はそんなに私に躾られたいのかい? 」
『 ち、がッ…… 』
包帯くんは黒い笑みを浮かべ乍ら、私の唇を指でなぞる。
……かと思えばパッと腕を離し、何時もの飄々とした包帯くんに戻ってにっこりと笑って見せた。
「 なーんてね、
君が女性ではないと豪語するのなら別に私と住んでも問題ないじゃあないのかい? 」
確かに、私が男ならば唯部屋に男が二人住んでいると云うことで何の問題もない
私が " 男 " であれば 、
ちらりと包帯くんを見れば其の笑顔から 男なんでしょ?、と云いたげなのが分かる
つまり、包帯くんは私が女だと云うことに気づいてるけど私が男だと云うから態と其れを利用して同棲に誘導していることになる。
何かムカつく…
そして私にはもう正当な断る理由等ない。
私は一つ物凄く長い溜息を吐いた。
『 ………分かったよ、仕方ないなぁ… 』
「 うふふ、これから宜しくねェ 」
『 包帯くん、笑い方気持ち悪いよ… 』
お邪魔しまァす… 、とこれから包帯くんと衣食住を共にする部屋へ足を踏み入れる。
後ろの方で玄関の扉が閉まった其の時 、
却説 、と云う包帯くんの声が私の背後で笑った
「 やっと私の元に来てくれたね、A 」
『 包、帯くん…? 』
振り返るとニマニマと艶っぽく笑んでジリジリと迫ってくる包帯くん
何する心算なのかな?、と冷や汗をかき乍ら言葉にした質問にも答えてくれずに妖しい雰囲気が私にまとわりつく。
「 これから楽しもうね? 」
『 ひッ、厭…ちょっと待ち給えよ、包帯ク』
それからの事は訊かないで欲しい。
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オズ - dGAzIwL2bmd18Yxさん» うあ…嬉しすぎるお言葉……ありがとうございます!!!頑張りますね!!! (2022年7月13日 20時) (レス) id: 1d6204a61d (このIDを非表示/違反報告)
dGAzIwL2bmd18Yx(プロフ) - もう、やべぇ、、(文才が天才過ぎて語彙力が4にました)面白過ぎます‼︎続編の更新も楽しみに待ってます (2022年7月11日 1時) (レス) @page50 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
オズ - *深音*(みおと)さん» ああああありがとうございます!!最終回まで頑張って書きますね!! (2021年8月18日 12時) (レス) id: bf4e4a8e9b (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(みおと)(プロフ) - すっっごい好きです…(語彙力皆無)更新頑張ってください! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2e41216803 (このIDを非表示/違反報告)
オズ - テレタビーズ教さん» ありがとうございます!!これからも良いものが書けるように頑張ります!! (2021年8月4日 17時) (レス) id: 886aed0c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オズ | 作成日時:2021年7月25日 18時