命をも盗む大怪盗 【文スト】

盗み_16 ページ17

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貴方side



取り敢えず、説明が欲しい





「 あの、昨夜はすみませんでした。

僕、中島敦と云います！

よろしくお願いします、Aさん 」





昨夜私に攻撃してきた事を気にしているのかモジモジと挨拶をしてくる虎くん。


そんなものなど頭に入って来ず





「 私の名は太宰治、

死にたい時は何時も云い給え！私と心中し…痛っ！」





目の前の包帯くんが真面目くんに頭を殴られても、


そもそもの話、何故私が此処に居るのか


誰か説明して欲しかった。


謎の告白の後、医務室とやらを出て包帯くんに連れらるがままに来てしまった



如何しよう



皆の名前と異能力は自己紹介ごとに把握しているが、それどころではないと色んな考えが頭を駆け巡る。



一つだけ確かなのは鏡花ちゃんが可愛いことだけだ。



もうこうなったら自分から動かなければ理解が追いつかない！



そう思うが否や思考を働かせすぎた私はもう考える力など残っておらず思ったことを其の儘言葉に出していた。





『 此処の一番偉い方は誰かな！』





自己紹介の流れを途端に無視された皆が皆、唖然としていた。

まるでこの時だけ時が静止したような





「 私だ 」





一同が唖然とし、声も出せずに居るとそこに威厳のある声が現れた。


其の一声だけでも分かる


この人は人の上に立つ者だと。



其の人は 福沢諭吉 、と自身で名乗り、 此処の社長だ とも云った。


社長は私の近くへ来て、其の厳しい目で見下ろした。





「 貴君に一つ訊きたい

＿＿＿貴君は何故人命を奪った、 」





社長は私に云った



" 如何なる理由で人を殺したのか " 、と。



いつか私が正義か悪かと問い質したことがあっただろう


私にとって今の質問は其れと同じぐらいに愚問だった。



一般人並びにポートマフィアの構成員を五人も殺した理由



＿＿＿そんなの、





『 云う訳ないじゃないですか 』





社長の厳しい目が何度私を見ようと私の気持ちも態度も改まることは多分ない。


少しの間を経て、社長はまた口を開いた。





「 殺人は愉しいと思うか、」





私を除いてその場に居た全員が社長の言葉に目を見開いた。



おそらく社長は私を試しているのだろう



この社に必要である人材か否かを。





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