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この世界の裏側
山肌から真っ直ぐに昇るミミズ。
禍々しいその様子に思わず足がすくんだ。
『……行かなくちゃ、』
しかし、ミミズに向かって駆け出す猫ちゃんの姿を見て震えが止まった。
・
住宅街に沿っている上り坂を駆け上がった。
気がつけば、道は左右に蛇行し始めて。
向かい側からくる通行人に何度すれ違ったのか分からなくなり始めた頃、住宅は途切れていた。
顔を上げる。道の端にある木々の向こうにある観覧車……その場所からミミズは立ち昇っている。
『あの観覧車からだ……！』
不意に後ろを振り返った。大分後ろにいるすずめ達。……を待つという選択肢は無くなっていた。
アーチ状の遊園地の入り口を目で捉える。が、その前には雑草が絡みついたバリケードが立ちはだかっていた。
脇にあった看板に目をやりつつ、私は跳んだ。
暗闇の中、星の光を頼りにしてミミズを目指す。
園内には、メリーゴーランドやジェットコースターなどの他の所と同じようなアトラクションが所狭しと並んでいた。まぁ、どれもこれも動く気配も無く静かに眠っているけど。
観覧車へ向かう道は、背の高い雑草で覆われていた。
手で引きちぎりながら進んでいると、後ろからすずめたちが追いついた。
「＿＿＿観覧車が！」
「後ろ戸になっている……！」
すずめの言葉を草太さんが引き継いだ。驚愕したように目を見開いている彼らに私は手を止めることなく告げた。
『観覧車の頂上にいるんです。……猫ちゃんが！』
危ないですよね…！と涙目になりながら訴えた。
「……うん、ソウダネ」
「どんな状況でもブレないな、Aさんは」
苦笑いを浮かべる草太さん。でも、次の瞬間には真っ直ぐ私たちを見上げた。
「鈴芽さん、Aさん。俺はダイジンを捕まえて、要石にもど……すんじゃ無くて、保護する。その間に君たちは＿＿＿」
「うん！ゴンドラの扉を閉めて、鍵を掛ける。やってみる！」
『私はもう一回…行きます』
草太さんが言い終える前にすずめと目を合わせて遮る。
草太さんは小さく頷いた。
「鈴芽さん、扉を頼む！……Aさん、どうか無事で帰ってきてくれ…！」
「『うん！』」
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すずや - るいさん» 見つけてくださりありがとうございます✨ (2月24日 22時) (
レス) @page24 id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
るい - 今日すずめの戸締まり見てきて、小説を見たくなったところでこの小説を見つけました!すごく面白いので頑張ってください! (2023年1月9日 16時) (レス) @page26 id: 2b427804a3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな - まーぼーどーふさん» ありがとうございます✨ すずめの戸締まり本当に良いですよね〜 (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
すずな - キモオタクさん» これから少し落ちてしまうかも知れないので、今出来るだけ書いちゃってます！ (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
まーぼーどーふ - すずめの戸締まりの世界に入れて幸せ！神更新！ (2022年12月29日 21時) (レス) @page17 id: dd43b0d406 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2022年12月19日 1時
