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と、その時。私の瞳がある一点に捕まった。
そこはホテルの中庭だったであろう場所。建物と同じくそこも円形で、その中央にあの人が探していたモノ…つまり扉があった。
青い水の中でぽつんとある白い扉。それだけは倒れることなく、背筋を伸ばしていた。
「あの人、扉って言ってたよね……」
何となく行く空気になり、すずめはそのまま……靴を履いたまま中に。私は靴を脱いで、素足を水に晒した。
ドアノブに手を回す…触れるとキィ、と音を鳴らしながら開いた。
『……え、ナニコレ』
「＿＿＿っ！」
扉の中には、夜が閉じ込められていた。きらきらと夜なのに眩しく輝く星に、夜特有の匂い＿＿＿
あり得てはいけない様子に私は体ごと止まった。すずめが横で中に踏み入れ…
＿＿＿ぱしゃん
…る前に水の跳ねる音がした。すずめがあちら側に行ってしまった！、そう慌てて中を覗き込んでもすずめの姿は見当たらなかった。
『すず＿＿＿っ、痛っ！』
もっと、と欲張って体を前に出すと、突然すずめが現れた。お陰様で頭と頭が鈍い音を立てながらぶつかってしまう。
すずめによると、扉の中には私と同じ様な風景が見えていて、そこに行こう、と足を踏み入れた瞬間あちら側が消えて、こちらに戻ってきてしまうんだとか。
それを聞いて私も向かう。でも、足を踏み入れると謎の反動が来て押し戻されてしまった。見えない膜が張ってあるみたいに。
すずめが幾度となく入ろうと挑戦している中。私は足元にあった突起物…石像？、を見つけた。
頭と思われる部分のみが水から出ていて、その頭＿＿猫を連想させる＿＿に掘られた細い目と、視線が交わる。
＿＿＿ちりん
頭の中でふと、鈴を転がす音がした。これは、今朝の…。
両の手で水に浸かっている体を引っ張り上げた。お風呂の栓みたいに、何故か引き抜く感触が手からきた。先は鋭く尖っていて驚いた。
じっ、と目を凝らす。石像は薄い氷の膜に覆われているのに気が付いた。
その氷は私の手から伝わる体温によって、一部からどんどんと溶けていった。
…今は夏なのに、どうして氷？
＿＿＿ドクン！
『ふ、わっ！』
鼓動の音が石像から聞こえた。
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すずや - るいさん» 見つけてくださりありがとうございます✨ (2月24日 22時) (
レス) @page24 id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
るい - 今日すずめの戸締まり見てきて、小説を見たくなったところでこの小説を見つけました!すごく面白いので頑張ってください! (2023年1月9日 16時) (レス) @page26 id: 2b427804a3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな - まーぼーどーふさん» ありがとうございます✨ すずめの戸締まり本当に良いですよね〜 (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
すずな - キモオタクさん» これから少し落ちてしまうかも知れないので、今出来るだけ書いちゃってます！ (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
まーぼーどーふ - すずめの戸締まりの世界に入れて幸せ！神更新！ (2022年12月29日 21時) (レス) @page17 id: dd43b0d406 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2022年12月19日 1時
