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『それにしても、随分痩せてるねぇ…』
私は肋骨が浮き出た猫の体を優しく撫でた。ほんのりと体温が伝ってきて、何だか一安心。
『可愛いなぁ。ねえ、私の子になる？』
脇の下に両の手を差し込む。小さな体が浮く。
「うん」
「え？」
『……ロボット？』
何気ない私の一言。それは猫に向けられていたから、返答なんて返ってくる訳無い、のに。確かに肯定を示す、うん、が返ってきたのだ。……猫が喋った？
「ろぼっと ちがう」
「ひらがな やっぱり やさしい」
「すずめ ひらがな すき」
たどたどしい、言うなれば言葉を覚えたての子供の様な声だった。いつのまにか猫はふっくらと肉付きが良くなっていて、その視線は草太さんに向けられた。ついっ、と細められて＿＿＿
「おまえは じゃま」
「＿＿＿！」
＿＿＿その小さな口は淡々と放った。
がたん、と何かを落とした様な音がした。ちらり。
私と入れ替えに草太さんが座っていたあの子供椅子が倒れていた。
そう、子供椅子
「え？えっ、ええ！？」
『草太さん、草太さん！？』
思わず部屋の中をくまなく見渡す。だが、草太さんは何処にも見当たらなかった。私の両の手の中でにんまり、と猫が笑った＿＿＿。
こと、ことん。
立ち上がっていた私の足元で音がした。見ればそこにあるのは子供椅子のみ。すずめが何かしたのかと聞くと、すずめは顔に驚きを滲ませながら私の足元を指差した。ほら、みて！！
今更ながら、子供椅子の脚は四本あるべきなのだが、その内の一本は何故か欠けていて不安定な状態にあった。
私が腰掛けていた際はその部分に缶をセットしてあったからバランスを保っていたのだ、と気付く。
それで、その子供椅子だが。
今私達の足元で道理に逆らっている。そう、動いているのだ。
例えれば四足歩行の動物のように。器用にその三本の脚をばたばたさせて起き上がる。
じいっ。
子供椅子の背中をつける板に彫られていた二つの凹み＿＿＿恐らく目に見立てた＿＿＿に見上げられた、ような気がする。
今度は自分の体を見るように下に傾げた。少し震えている。
「なんだ、これは……」
『ひい、椅子が喋った……って？』
椅子から聞こえた声に咄嗟に身を引いた。
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すずや - るいさん» 見つけてくださりありがとうございます✨ (2月24日 22時) (
レス) @page24 id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
るい - 今日すずめの戸締まり見てきて、小説を見たくなったところでこの小説を見つけました!すごく面白いので頑張ってください! (2023年1月9日 16時) (レス) @page26 id: 2b427804a3 (このIDを非表示/違反報告)
すずな - まーぼーどーふさん» ありがとうございます✨ すずめの戸締まり本当に良いですよね〜 (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
すずな - キモオタクさん» これから少し落ちてしまうかも知れないので、今出来るだけ書いちゃってます！ (2022年12月29日 21時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
まーぼーどーふ - すずめの戸締まりの世界に入れて幸せ！神更新！ (2022年12月29日 21時) (レス) @page17 id: dd43b0d406 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2022年12月19日 1時
