How are you?Professor？｛wr.wr.d}{em}{短編集｝ (ページ4)

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軍パロ　書類と嫉妬ページ4

『エーミール……』
「なんでしょう」

大量に積まれた書類の山をかき分け、手伝いを懇願している意味を込めて同じ幹部のエーミールの名前を呼ぶと、図書室ないでそれほど距離もなかったため彼はすぐに反応しこちらによってきた。

「助けて欲しい…』
「また大先生みたいなことを……」

やや呆れたような声で言いつつも仕方がなさそうに書類の山の一部分を崩し持ってくれる彼は本当に優しいと思う。
いやしかし、大先生みたいなことをと言われたのは心外だ。彼は書類の提出期限が極端に遅くてガバが多いってだけで……と自身の行動を振り返る。
コネシマやシャオロンと訓練をして遊んだ月曜日、
ゾムと一緒にテロ組織を潰しにいった後ご飯を食べた火曜日、水曜日…。
ショッピ君とチーノ君と一緒に隣国の調査(遊び)に行った木曜日…
ロボロと一緒に街へと買い物に行った、金曜日……。
オスマンと一緒にケーキを吟味して、グルッペン様を加えて一緒に食べた土曜日……そして今日書類に追われている日曜日……。
これが今週あった事、そしてこの書類を作れと命令されたのが数週間前……、あれ、あんまり変わっていない…？？

『ｽﾐﾏｾﾝ……』
「もう……」

次からもっとしゃっとしてくださいよ、とため息交じりに告げられ、彼は私の目の前に座り同じように書類に目を通し始めた。
書類を確認して、やり直しが必要な場所がある書類に付箋を貼り、訂正箇所を書きこむ。そんな単純作業が30分ほど続いたところでふと手が止まった。
この間、会話は一切なし。
これはどう、あれはどう、など事務的なものは勿論、雑談なんてもっての外だ。

『エミさん？』

返答はない、ない故にあるぇと少し首を傾げる。
こんな反応になるのもちゃんとした理由があった。先ほど彼はまた…と言ったように実は私も書類に追われることは少なくないしそのたびに彼に手伝ってもらってる。
双方とも喋ったら手が動かないなんて性格ではないのでいつもは談笑をして書類を進めていたのに。

『あの……』
「………え、あ、はい。なんでしょう？」

今一度声掛けをしてみると今度は反応が返ってきた。
いつも通りのちょっと間の抜けた返答で怒られてはいないと確認して、組んでいた足を一度崩し逆の足を上にして足を組みなおす。

『今日無口だなぁって思って』
「……そうでしょうか」

そう言い彼はやや微笑みながら首を傾げる。
その目は笑っていなかった。