Q.アイデンティティ ページ1
入学式の日の優越感は素晴らしいものだ。
新品の制服に着替えて、覚えたての道のりを自転車で走らせる。
まだ、冬の寒風を少し混ぜた春風が制服の繊維をくぐり抜けて僕の全身に染み込む。
行き先はA中学。
僕は今日から中学生だ..........
黒い制服が軍隊のように整列、拍手喝采、きわめつけは吹奏楽の演奏。
この日のために何日練習したのか、はげちらかした校長の長ったらしい話。
くそ下手くそな校歌、
これからの青春の夢に浸かる僕にとっては全て上の空だった。
よく学び、よく遊べ、確か校長がそんなことを言ったのは覚えている。
よく学び?
ふざけるな。
中学生、いや青春ってのは女の子と××できれば万々歳なんだよ。
いつものクレイジーな妄想で時間でも潰そうかと思ったとき部活動紹介が始まった。
部活...僕には関係ないね。澄んだ顔で眠りにつこうとすると、
「女子ソフトテニス部お願いします」
ニキビが顔に、これでもかとできている生徒会糞デブ眼鏡女の呪文のような声が僕の鼓膜に鮮烈に突き刺さる。
心拍数が上がっている。それだけはわかった。これは抜ける.........確信だ..........
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作者名:二朗氏 | 作成日時:2015年12月25日 0時