好きだよ (ページ6)

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6輪ページ6

「そこのお嬢さん、この杖は貴女の物ですか？」

恐がらせないように声を出してみたがﾋｯ!と軽く悲鳴を上げられた

ちょっとショック

「あ、ありがと……ございます」

彼女は私がハンターなんて気付いていないのか逃げることをせず杖を取ろうとしてた

「……！」

否、逃げることが出来なかった

杖を取ろうとするが右に手を伸ばしたり左に伸ばしたりと杖を握ることさえ出来ていない

どうやら目が見えないらしい

「驚かせてしまうと思いますが手を貸して頂いても良いですか」

「へ？あ、はい」

優しく手首を握り杖を手のひらに置く

「！ありがとうございます……！
私目が見えないのでこの杖が無いと周りの音を聴いて歩くことすら出来ないんですよね」

「そうですか」

嬉しそうに喜ぶ彼女に胸が複雑に感じた

「ここが何処なのか知りたいので失礼しますね」

杖を思いっきり床に叩きつける

「ぇ…あ……」

そしてみるみる彼女の顔は恐怖に怯える

ハンターだとやはり恐いのですね

何故か胸が痛くて悲しかった