素敵帽子様の彼女様

虎探し ページ7

｢そりゃ災難だったね｣

｢それで小僧、｢殺されかけた｣と云うのは？｣

｢あいつ、僕を追って街まで降りてきたんだ！！｣

｢その虎私が殺ろうか？｣

｢何物騒なこと云ってるの！？｣

女の子を危険な目に合わせられないよ！
そう云われて私はこう思った

この天然たらしが

と

確かに私は女だが、敦くんより二歳も歳上だ

それに私はポートマフィアの幹部だぞ？ナメないでいただきたい

まぁ、こんな事云えないけど……

｢それ、何時の話？｣

｢院を出たのが、二週間前……虎にあったのが確か……四日前です｣

虎に狙われているなら、もうとうに死んでしまってもおかしくないのではないだろうか？
虎が相手を恐怖に陥れてから食べるなんて悪趣味なことする訳が無いし……

若干疑問に思ったが、まぁ、いいか。
とその疑問は消えていった

｢確かに、虎の被害は二週間前からこっちに集中している。それに、四日前に鶴見川で虎の目撃証言もある｣

そこまで聞いて太宰さんは顎に手を当てて、真剣に何かを考える

｢敦くんとAさん、これから暇ぁ？｣

｢……猛烈に嫌な予感がするのですが｣

｢右に同じく｣

｢君が『人食い虎』に狙われているなら好都合だ……虎探しを手伝ってほしい｣

｢嫌ですよ！！それってつまり『餌』って事じゃないですか！！誰なそんな──｣

｢報酬でるよ？｣

嗚呼、敦くん……目が、目が金になってる

｢国木田くんは社に戻ってこの紙を社長に｣

｢おい、三人だけで捕まえる気か？まずは情報の裏を取って──｣

｢いいから｣

｢ち、ちなみに報酬はいかほど？｣

敦くん……私、悲しいよ
こんな、金に執着する子になっているなんて……
嗚呼……手をスリスリしないで泣きそう

｢これくらい｣

｢きょ！！！｣


……きょ？

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