とても ページ31
｢中、也……？｣
｢私の彼氏｣
にぱっと効果音が付きそうなほど明るく笑った彼女は先程と違ってひどく、可愛らしく見えた。
彼女はもう、二十歳だというのに。
マフィアの幹部だというのに。
……沢山の人を殺した殺人鬼だというのに。
｢後で探偵社の方々には御礼をしなきゃね。……ねぇ、何を贈品したら喜んでくれる？銃弾？ナイフの雨？｣
そう曇の無い笑顔で云ったので警戒すると｢敦くんは先刻の泣いたフリといい、冗談が通じないね……嘘だよ。嘘。恩人の方々に仇を返すと思う？皆さんは何が好きなの？｣
と聞いてきた
ホッと胸をなで下ろし、弱点になってしまう可能性もあるので誰が何を好きなのかは云わずに皆さんの好きなものを知ってる範囲で云った。
｢駄菓子と……茶漬けと……自 殺と、理想と……｣
後は判らないや。と頬をかくと｢なんか可笑しいのあるよね！？｣と目を見開き、驚いた後に｢私、二つ程準備出来ないよ〜｣と笑う彼女。
嗚呼、矢っ張り……彼女には
｢ねぇ、Aちゃん。探偵社に入ろ？｣
｢……え？｣
｢マフィアなんて……そんな暗い処、君には似合わないよ！矢っ張り、探偵社みたいな、人を助けられるような明るい処が似合うよ！｣
たとえ、何人殺しても、それがもし、無理矢理させられたことならば、きっと、彼女はまだ、此方に来れる筈！
彼女の手を握り目をぱちくりとさせている彼女へずいっと近づくと彼女の先程までの明るい雰囲気は面影さえ残らず消えて言った。
僕に向けられるのは……怒りや殺気。
｢マフィアが暗い処？……勝手に決めつけないでよ。
敦くんがポートマフィアの何を知ってるの？
私は、暗い処なんかにいない。確かにマフィアは実力が無ければ死ぬよ？でも、そんなの当たり前じゃない？
本当に暗い処なら、私は自由に外を歩けないし彼氏なんか作ってない。｣
彼女から発せられる殺気が、僕の肌をチクチクと刺す。
｢でも……！！｣
｢無論、脅されて付き合ってるわけでもない。
お互いに好き合って付き合ってるの。
大好きで大好きで、たまらなくて……愛してるの……本当に｣
目に涙を溜めながら、でも弱々しいわけではなく寧ろ、凛とした雰囲気を放ってそう云う彼女に僕は思わず見惚れてしまったらしい。
｢…………｣
二人共言葉が出ずに気まずい雰囲気だけが流れている空間に聴いたことのない乱暴な口調の男の声が響いた
｢嬉しいこと云ッてくれるじャねェか｣
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水音寺 刹那(プロフ) - 中也カッコよすぎです！とってもいい作品でした！ (2018年2月23日 18時) (
レス) id: 6d7b469f38 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - 赤雲蒼雲さん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！更新頑張りますね (2017年5月3日 9時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 中也カッコイイです！更新頑張ってください！応援してます！ (2017年4月17日 9時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - 白湯さん» ありがとうございます！いやぁ、もう書いている私もニヤニヤしてしまいまして……←更新頑張りますね！ (2017年4月7日 12時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - にろりんさん» ありがとうございます！！わぁぁ、そう言ってもらえて何よりです！！ですよね〜もうほんと中也がかっこよくて……辛い…… (2017年4月7日 12時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫蛇☆彡。 | 作成日時：2017年1月8日 0時
