嘘 ページ16
暗い地下の階段をコツコツと靴の音を響かせながら歩く
「……頃合いかな」
そう微かに聞こえると中也はダンッ!と思い切り足を下ろし「相変わらず悪巧みかァ太宰!」と声を上げた
「その声は」
「こりゃ最高の長めだ。百億の名画にも勝るぜ。」
「最悪、うわっ最悪」
「良い反応してくれるじゃないか。嬉しくて縊り殺したくなる」
手をパキポキ鳴らしながら太宰さんに近づく中也。
見るからに仲の悪そうな2人のやり取りを邪魔しないように……と、階段に座りながら見る
「わぁ、黒くてちっちゃい人がなんか喋ってる
前から疑問だったのだけど、その恥ずかしい帽子はどこで購うの?」
「云ってろよ放浪者。いい年こいてまだ自 殺がどうとか云ってんだろ?どうせ」
「うん」
さも当然のように答えた太宰さん。
私はそんな太宰さんをマジか……と云った目でみる。
中也はそんな太宰さんに「否定する気配くらい見せろよ……」と正確な突っ込みを入れる
「だか今や手前は悲しき虜囚……泣けるなァ、太宰。
否、それを通り越して少し怪しいぜ。丁稚の芥川は騙せても俺は騙せねェ。何しろ俺は手前ェの元相棒……だからな。
何をする積もりだ」
太宰さんの髪を掴み、そう問いかける中也。
そんな中也に太宰さんは「見たままだよ捕まって処刑待ち」と答える───が
「嘘つきめ……」
私も中也もそんな嘘に騙されるほど莫迦ではない。
太宰さんの目には余裕の色しか見えない。
大抵、ここに捕えられた人間は死んだ魚のような目をする……目に光がある者はまず居ない。
「あの太宰が不運と過怠で捕まる筈がねェ。そんな愚図なら、俺がとっくに殺してる」
「考え過ぎだよ。処で君、何しに来たの?」
「嫌がらせだよ。あの頃は手前にさんざ弄ばれたモンだ。だが───」
「おぉ……」
太宰さんを繋いでいる手枷に向かって回し蹴りをし、破壊する中也。その人間離れした行動に思わず声を上げ、拍手をする。
「そう云うのは大抵後で十倍で返される
手前が何をたくらんでるか知らねェが───俺と戦え太宰
手前の腹の計画ごと叩き潰してやる」
「……中也」
「あ?」
パチンッ。
太宰さんが指を鳴らすと手枷が外れ、カシャンと音を立て地面に落ちる
矢っ張り、道理で余裕なわけだ
「君が私の計画を阻止?……冗談だろ?」
「何時でも逃げられたッて訳か
良い展開になッて来たじャねェか!」
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水音寺 刹那(プロフ) - 中也カッコよすぎです!とってもいい作品でした! (2018年2月23日 18時) (レス) id: 6d7b469f38 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - 赤雲蒼雲さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!更新頑張りますね (2017年5月3日 9時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 中也カッコイイです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年4月17日 9時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - 白湯さん» ありがとうございます!いやぁ、もう書いている私もニヤニヤしてしまいまして……←更新頑張りますね! (2017年4月7日 12時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
猫蛇 - にろりんさん» ありがとうございます!!わぁぁ、そう言ってもらえて何よりです!!ですよね〜もうほんと中也がかっこよくて……辛い…… (2017年4月7日 12時) (レス) id: b82b3b39d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫蛇☆彡。 | 作成日時:2017年1月8日 0時