【REBORN!】空を仰いで

#28 ページ28

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少々重たいガラスの扉を締め、幾度目かの溜息を吐いた。

長い様で短かった初のイタリアでの父との二人暮らしを終え(いや、まだあるのだがそれはともかく)、9月になり、イタリアの学校の新学期が始まるということで私は新たなる一歩を踏み出す為その学校に訪れていた。

何故……何故、もっとしっかり調べなかったのだろう。
何故、気付かなかったのだろう。
何故、予想出来なかったのだろう。
悔やんでももう遅い。来てしまったのだから。
今になってやっと、父が留学の話を持ち掛けてきた時にバツの悪そうな顔をしていた訳が、リボーンが学校について訊ねてきた訳がわかった。

今私が立っているこの場所。
これから数年間通うことになる学校の昇降口、なのだが。


「おい！ スタマーレのベッペの奴、Dクラスまで落ちたらしいぜ」

「ああ、確かにスタマーレは最近落ちぶれてきてたもんなぁ……」


俺達はそうならないことを願うぜ、なんて話しながら通り過ぎてゆく男子生徒。
スタマーレ。スタマーレ、ファミリー。南イタリアの小さな街を拠点とする小さなマフィアだ。

そんな風に、他の生徒達の会話からも聞いたことのあるファミリー名やマフィアの話やその一員達についての話が聴こえてくる。

察して頂けただろうか。
そう、ここはマフィアの候補生などの普通の学校に通うには問題がある生徒達が集う学校。
一応校内での乱闘は禁じられている、筈なのに今も爆発音がどこからか聞こえてくるし、やっぱりヒエラルキーは存在するのだろう……通り過ぎる生徒の会話には、党派の争いについてであろう論議が繰り広げられていた。

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