標的0.4 ページ6
『君には、力がある。
君のような少女が持つには大きすぎる力。
その力で君は多くのものに変化をもたらした。
本来の流れを変えてしまった。
無意識の内にね。』
『……最初から話そうか。
まず、君は違う世界に生まれてきてしまった。本来とは違う世界。君の力は"風"……多くの流れを変えてしまう力だ。時には良い方へ。時には悪い方へ。人やもの、それだけじゃない。運命をも変える。恐ろしい力だよ…。その力で、君は自身が生まれる世界を違えてしまった。』
『そして、君は拒絶された。世界に、拒絶された。そりゃそうだよ…。予期せずにとてつもない力を持ったものが生まれたんだ。本当に困ったろうね。それで、君を追い出すために君の周りの人が死んだ……。君みたいな"イレギュラー"がいたら何があるか分からないけれど、君の力のせいで中々追いやれない。そこで、絶望させて自害させようとでもしたのかな。でも、もし君が死んだらもっとバランスが崩れてもっと大変なことになっちゃうのにね。』
『君は、前にいた世界では邪魔者だったが、君がいるべき世界というものはある。君と、君の力が必要な世界がね。君をここに連れてきたのは、その世界に行ってもらうためだよ。』
『君がその世界にいけば、安定する。いくつかの世界がね。今が絶好のタイミングなんだ。今すぐ君が行けば、君が今までいた世界の、君が関わった人達は本来の生活に戻る。……生き返るのさ。そして、君が行くはずだった世界にも、新しい良い"風"が流れる。』
『でも。君は前の世界での存在が消える。元からいなかったことになる。これから君が行く世界にも、君のことを知る者はいない。
それでも、いいね?』
「大丈夫。今までも、これからも、ずっとひとりでいるから。」
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作者名:だいだい | 作成日時:2017年4月25日 0時