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標的0.3 ページ5

その後、私を引き取って可愛がってくれた、伯母…… 母の姉も、


家族を皆なくしてしまった私を心配してくれた友達も、


「呪われてる」と私を痛めつけた人達も、


1人ずつ、1人ずつ、姿を消していった。


それは、いつも私の目の前で。


まるで、見せつけられているようだった。




私は、ひとりになった




もう見たくなかった。



私の前から次々と散っていく命を



私は1度も救うことができなかった。




私には、母のような強さも、兄のような勇気も、父のような優しさも、



なにも、ないから。



無力な自分が、疎ましくて堪らなかった。







みんなの後を追おうとはしなかった。


逃げるのだけはやめようと思っていた。



それに、『いつか変えられるかもしれない』と思っていた。


……何も、変わらなかった。





何もできない私は、


何もしないようにした。










幸いなことに、遠い親戚に援助してもらえた。


大人になり、自分でお金を稼げるようになったら返す。そのつもりで。


もう就職口の目星はつけてあった。



高校卒業は、本当に、1人で生きていく。


学校の教師には、進学を勧められたけれど



もう、人と関わるのはなるべく止めなくては。



何があっても、ひとりでいられるように。









もう、なにも









失いたくない

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作者名:だいだい | 作成日時:2017年4月25日 0時

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