treinta y seis! ページ38
「お熱いところ悪いけど、こっちにも来てもらうわよ、フレデリーカ?」
もはや逃げ出したいと思っているフレデリーカにはむしろ好機。
真っ赤な顔を冷ましながらエリザベータに何の抵抗もなくついて行く。
「…やるじゃない!」
「え?」
「ついにあの子の気持ちに答える気になったんでしょ?」
「え、いや、あの、リズちゃん?」
少し離れた場所でエリザベータに詰め寄られるフレデリーカ。
恋愛沙汰を他人に相談するのは苦手であるのに。これでは拷問よりも拷問らしい。
「私はあんな木偶認めていない。もっといい奴がいるだろう。」
「わあ、ターニャちゃん来とくれたんや!いらっしゃい!」
ターニャ。そう呼ばれたのはナターリヤ。ベラルーシである。
珍しく自ら兄の元を離れた彼女は、出会うなりフレデリーカの頬を思い切りつねる。
「何故あいつなんだ。せめてあっちのデカイ木偶の方がましだ。」
「ルートはそない仲やあらへんて。
そんなことより、ターニャちゃん、ほらパエージャ食わん?これうちが作ったんよ!」
「だから遅かったのか。」
「まあ。やって、自分の客にはうちの食べてほしいやんか。」
「…ふん。理解し難いな。」
「そお?」
ナターリヤと談笑を初めようとしたフレデリーカの肩を、ふたたびエリザベータが掴む。そして、静かに耳打ちをした。
直後、再びフレデリーカの顔が赤くそまっていく。
何を話したのか、ナターリヤは首を傾げた。
「ほら、行ってきなさい。」
「…え、ぁ、ぅ…」
「ぐだぐだしないの。」
背中を押され、飛び出た先はアルフレッドの眼前。さっきの今までいた所である。
「フレデリーカ?どうしたんだい?」
「…や、その、」
アルフレッドに声をかけられ、フレデリーカは意を決したように逸らしていた顔をアルフレッドに向けた。
そして、手を差し出して一言。
「…踊ろ!」
…やっと誤解は解けたんでしょ?なら、他の子に取られる前に牽制しなきゃだめよ。
ね、恋するフレデリーカ。
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カレンデュラ - TARAKOさん» ありがとうございます!とても励みになります! (2020年4月15日 11時) (レス) id: 02bbab1095 (このIDを非表示/違反報告)
TARAKO - こんな遅い時間にすみません、、、カレンデュラさんのこの小説にハマりました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2020年4月15日 1時) (レス) id: 75c31c63dd (このIDを非表示/違反報告)
カレンデュラ - 桜さん» わざわざありがとうございます!頑張ります! (2020年4月13日 22時) (レス) id: 02bbab1095 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年4月13日 16時) (レス) id: f4e7d9a45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カレンデュラ | 作成日時:2020年4月12日 23時