西の楽園、ライヒスラントへようこそ！

treinta y uno? ページ33

「？
何がだい、フランシス。」
「いや、別に。
それよりよかったじゃん。貰ったんだろ？花。」
「ああ、“踊り子の祝福は喜んで受け取る”のがマナーなんだろ？」
「……ああ、まあ、そうね。」
「なんだい、歯切れの悪い。」
「そのうちわかるさ。嫉妬されないようにな。」

こんなちっぽけな花が何になるんだい。
どんなに綺麗でも、フレデリーカからの贈り物じゃなきゃ意味がないんだぞ。

別に欲しいものもないし、と席でただ時が過ぎるのを待つ。一時間もしないうちに人口は倍近くになった。

「んぁ、アメ…アルフレッドやん！今年はこれたんや！」
「まあね。ようやくさ。」
「珍しく大人しいじゃねえか。悩み事なら俺様が聞いてやろうか、ケセセ。」
「ノーサンキューなんだぞ。」

スペイン改めアントーニョにプロイセン・ギルベルト、アントーニョの陰に南イタリア・ロヴィーノ、その後ろにオーストリアたるローデリヒとハンガリー・エリザベータがいる。

…ハンガリーはともかく、オーストリアは意外だったな。フレデリーカとオーストリアなんて珍しい組み合わせもあるものだ。もしかしたらハンガリーに連れてこられただけかもしれないけど。

「わあ、今年はようやくアルフレッド君来れたんだぁ。おめでとう、アルフレッド君。」
「…やあイヴァン。元気そうで何よりじゃないか。」
「うふふ、もうお疲れかな？まあ今年が初めてならしょうがないよね。まあ僕は毎年来てるからその感覚わからないけど。」
「はは、面白い冗談じゃないか。俺はただ、ライヒスラントの国民を眺めているだけさ。
フランシスはこの通り酔ってるからね。」

相変わらず気に食わないなぁ、やっぱり。

「おいお前。何度言えばわかる。その汚い声で兄さんに話しかけるな。」
「wow、そんな怖いもの負けないでくれよナターリヤ。国民が怯えてしまうじゃないか。」

treinta y dos?→←treinta?

ラッキーアイテム

アーサーが食べ逃したハンバーガー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す