treinta? ページ32
オレンジ色の花が舞う。夕暮れの空に溶けて花は地へと散った。
「やぁっぱりいいよなぁ、祭りは。」
既に酔い始めているフランシスが酒を片手にそうこぼす。手元には出店で買った果実酒。そこまで強い筈ではないのだが、空気に酔ったということもあるのだろう。
フレデリーカに会えないからか、少ししょぼくれてちびちびと頬杖をつきながら果実ジュースを飲むアルフレッド。つまらなそうに騒ぐ人々を眺めている。
来客用の席はステージの間近に作られていて、その真中にも位置する席ということは、自分たちがいかに良い席に案内されているかわかる。
「そういえば、どうしたんだい、その花。そんなに多くなかっただろう?」
フランスの持つ数輪のオレンジの花に気がついたアルフレッドがそれについて聞く。
「ん?ああこれ?お兄さんはモテるからね!」
「は?何を言っているんだい、きみ。答えになってないんだぞ。」
「そのうちわかるよ、踊り子の祝福ってやつさ。
お前こそどうしたんだよ、その紙袋。まさかハンバーガーじゃないよな。」
「流石に持ってこないんだぞ。料理はでるらしいからね。」
踊り子の祝福。確かネットで調べた筈だ、と記憶を辿る。
“踊り子の祝福は喜んで受け取ること”。なんだ、踊り子の祝福ってのは花の事か。
あたりには華やかな衣装を着た“踊り子”が沢山いる。踊り子は皆仮面を付けていて、素顔は見えない。その踊り子は一様にオレンジ色の花を配っている。
「え?俺にかい?」
例に漏れず、アルフレッドにも花が差し出される。オレンジ色の花。今回は造花ではなく、生花だ。
踊り子が頷くのを見ると、アルフレッドはその花を受け取る。
「ああ、サンクス。」
受け取ったのを見た踊り子はアルフレッドに手を振って去っていく。
花に気を取られて少し開いたアルフレッドの紙袋をフランシスは対面から覗いた。
「なぁんだ。お前、やるじゃないの。」
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アーサーが食べ逃したハンバーガー
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カレンデュラ - TARAKOさん» ありがとうございます!とても励みになります! (2020年4月15日 11時) (レス) id: 02bbab1095 (このIDを非表示/違反報告)
TARAKO - こんな遅い時間にすみません、、、カレンデュラさんのこの小説にハマりました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2020年4月15日 1時) (レス) id: 75c31c63dd (このIDを非表示/違反報告)
カレンデュラ - 桜さん» わざわざありがとうございます!頑張ります! (2020年4月13日 22時) (レス) id: 02bbab1095 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年4月13日 16時) (レス) id: f4e7d9a45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カレンデュラ | 作成日時:2020年4月12日 23時