西の楽園、ライヒスラントへようこそ！

diecinueve! ページ21

「君が連合に付くのか、枢軸につくのか、それは正直どっちでも良かった。

ただ俺は、君の高潔さを奪ってでも、君に生きるという選択をしてほしかった。

中立を宣言し続けても、占領されれば、名がなくなれば君も俺も死んでしまう。ヨーロッパにいる君の方が、よくわかっているだろう？

だからこそ、君には戦ってでも生きてほしかった。」

「そんな、じゃあ、うちは、」
「そんな顔しないでくれよ。俺は君を泣かせたくてこんな話をしたんじゃないんだぞ。」
「やって、」
「言わなかったことは悪いと思ってるさ。本当にごめん。

俺に、無条件に君を守る力がなかったのも、君の国民を殺したのも事実なんだ。」
「ちゃう、うちは、」
「200年、とは言ったけどね。俺は、出会った頃からずっと君が好きだったんだぞ。偶にオレンジ色の花を持って俺に会いにきてくれる、君の笑顔が大好きなんだ。

皆んなみんな大好きでいられるところも、ああやって守りたいものを守ろうとする勇気あるところも、今こうして俺の話を聞いてくれるところも、昔から変わらないでいてくれるところも、全部、全部大好きなんだぞ。」
「やめ、
「…泣かないでくれよ。俺、あんまり女の子とデートした事ないんだ。だから、どうすればいいかわからない。

ねえ、笑ってくれるかい？俺は君の笑顔が好きなんだ。今夜をくれるんだろう？俺のために、笑って欲しいんだぞ。」
「……理解できへん。なんで、そないしてうちを。」
「…君が、大好きだからさ。」

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