Jealousy story 《 HiB短編集 》

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『作ちゃん？』





作ちゃんの好きは幼馴染としてなの？それとも恋人としての好きなの？



『私も好きだよ』

『でも、多分作ちゃんが思ってる好きとは違くて、幼馴染としての好きだと思う』


そう言うとどこか寂しそうな顔を見せるの




｢Aは誰が好きなの？｣


そんなの決まってる、


そう思うのに｢優斗くん｣って即答出来ないのはきっとさっき瑞稀くんから聞いたことが原因



口ごもって何も言えなくなる


｢Aはいつも優斗くん優斗くんって｣

｢俺がずっとどんな思いしてたか知ってる？｣



こんなに余裕の無さそうな作ちゃん初めてで

黙りこくってたら近づいてくる作ちゃんの顔




『作ちゃん、！』



呼んでも作ちゃんは止まってくれなくて


もう少し行けば唇が触れ合うかもしれないってところで止まった






『ね、作ちゃん近い 、！』




そんなこと言っても離れてくれるわけがなくて
唇が近づきそうな距離のまま話しかけてくる




｢こんなに近づいてもAの頭の中は優斗くんだけなの？｣



作ちゃんの顔が近づいてくる


いよいよヤバいって思ったのに





｢ねえ｣


｢何してるの？｣って今1番聞きたくて聞きたくなかった声




『優斗くん、』



空いてた右腕をぐいって引かれて
作ちゃんから離される



『優斗くんどこ行くの？』



そのまま右腕だけ引っ張って私の質問には答えずどこかに歩き出していく


＿＿＿＿

・

Aと回ろうっていう浅はかな願いも消えたわけで


楽しそうな2人なんて見たくないし、残ってるクラスの女子と教室で話してた



そんなときに鳴り出したスマホ

相手は瑞稀くんで



｢瑞稀くん？どったのー｣



｢なんでそんなに呑気でいれるわけ？｣


いきなり怒り出す瑞稀くん

でも何の事か分からなくて



｢どしたの？(笑)｣



｢早くしないと取られちゃうよAちゃん｣

｢とりあえず早く見つけて中庭に居るから｣



A？

ちょうど教室から見える中庭


覗き込んで見てみると



キス、してる？




でもAそんなことするはずなくて

それでも相手が作間くんなら有り得るの？



これ以上見たくなくて、でもちゃんとAと話したくて

走り出す足は中庭に向かう




中庭について見つけた後ろ姿
とっさに空いている右腕を掴む


振り向いたAの顔はとても気まずそうで


｢どこ行くの？｣なんて声無視して進む


・



ねえA、他の男なんかに取られないでよ



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