Jealousy story 《 HiB短編集 》

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｢ねえA聞いてるー？｣






いつも通り、優斗くんと一緒に歩く帰り道








やっぱり学園祭、優斗くんと回りたかったな、



なんて、

でももう作ちゃんと約束しちゃったし







そんな事考えてたらボーってしちゃってたみたいで








『ごめんもう1回言って？』








なんで聞いてないのー！ってほっぺた膨らませて怒るふりする優斗くん







それすら可愛いなって思っちゃう









｢えっと、なんだっけ｣





何話してたっけ？って







『優斗くん記憶力おじいちゃんみたい(笑)』








すぐに忘れるの、可笑しくて

一人で笑ってたら｢やっと笑ってくれた！｣って言うから









優しすぎるよ、優斗くん

好きだよ、優斗くん









｢そうだ！来週のね、学園祭！
一緒に回ろうよ！｣








きっと私がいいよって言うと思ってるから
にこにこ顔の優斗くん









タイミング悪すぎだし、







あと一日、せめて1日早かったら

きっと笑顔で頷いてたのに









『あのね、その、』
『今日、作ちゃんに誘われちゃって』









え？って口開けて驚いてるから






苦しくて





｢OKしたの？｣








そんな泣きそうな顔しないで？







『うん、ごめんね？』







｢そっかー｣ってすごく切なそうな顔するから









胸がきゅーって強い力で掴まれたみたいに痛くてく苦しくて









｢じゃあ瑞稀くんでも誘うか！｣








やだよ、私も優斗くんがいいのに



でも作ちゃんと約束しちゃった以上そんな勝手なこと言えなくて




そんな顔しないで、優斗くん









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＿＿＿＿







｢みーずーぎーぐーん｣






朝イチで抱き着いてくるから暑苦しい、うるさい






｢なに？てか目めっちゃ腫れてるけど｣


｢また課題してないの？
今回のやつ、俺も自信ないからね｣









｢課題終わってないげど、ぞうじゃなぐで！｣
ってこれまた鼻声で言ってくる







｢Aね、学園祭作間くんと回るんだって｣




｢え、断られたの？Aちゃんに？｣





優斗に夢中で、優斗しか見えてなかったようなAちゃんが断るとか







｢なんで？｣






｢分かんない！けど作間くんだよ！何されるか分かんないし！｣


｢ってことで瑞稀くん一緒に回ろー｣






空笑いするようにヘラヘラ笑ってるけど






その笑顔が本心じゃないことくらい分かってる






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