・ ページ19
・
眠気混じりの月曜日。お昼休みは人が居なくなる教室にポツンと座る。ただでさえ嫌いな月曜日が、隣に瑞稀くんがいないだけで二倍にも三倍にも嫌になる。
好きで好きでたまらないのになぜこうも思いは届かないのだろう。
｢あれ、今日瑞稀はー？｣
『橋本くん？』
どこまで鈍感なのか、橋本くんは。
昨日とは打って変わって別人のような、
失礼ながら昨日のあの場所で、同じ光景を見た人間だとは思えない。
『瑞稀くんはね、もう私なんか好きじゃないんだよ。』
『ていうか最初から好きなんかじゃなかったのかも(笑)』
無理やり笑うから、顔はきっと引きつっているかもしれない。
昨日一日考えてみたこと。
瑞稀くんはもともと私のことなんか好きじゃなかったのかもしれない。隣に居てめんどくさいと思ってたのかもしれない。下手すれば私なんか邪魔だったのかも、
その証拠に今だって私じゃない子と居るでしょ？
｢じゃあさ、Aちゃんはもう瑞稀のこと好きじゃないの？｣
『え、？』
｢だってほんとに好きだったらさ、｣
ふわって、昨日と同じ感覚。
耳元で喋るからくすぐったくて、
｢昨日のこれ、嫌だったはずじゃん？｣
嫌だったはず、この言葉が頭の中で永遠ループされる。
そっか、嫌がるはずなんだ。だって私が好きなのは瑞稀くん。それなのに昨日突き放せなかったのはどうして？私が瑞稀くんを好きじゃないから？
分かんない、分かんない。
頭の中がパンクして、収まりきらない感情が涙になってこぼれてくる。
昨日も今日も泣いてばっかり。こんなんだから瑞稀くんはめんどくさくなったのかもしれない。
せっかく可愛くなるためにメイクした顔も、好きな人に見られることなく崩れていく。
｢待って、！ごめんね、泣かせるつもりはなかったのに、｣
焦り出す橋本くんと、泣きじゃくる私。
悲しいとか、寂しいとか、悔しいとか、、好きだとか、全部ぐちゃぐちゃに混ざっていく。
『っ、私ね、自分の気持ちがわかんない、』
｢んー、じゃあ今抱き締めてるのが瑞稀だったらどーする？｣
『多分もっと強い力で抱き締め返したりすると思う、』
そう言うと｢でも俺にはそんなことしないでしょ？｣って得意げな顔の橋本くん、
｢瑞稀にだけ、そうやって思えるってことはAちゃんは瑞稀のことちゃんと好きってことなんじゃないの？｣
｢それに、きっと瑞稀も同じ事考えてるはずだから｣
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1302人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梅干し*・.。 - だいぶ時間たってますけど...コメント失礼します。私、この最初の優斗くんの話がスゴく好きです！！(突然の告白)←龍我くん担ですが｡｡｡ こんなに素晴らしいお話を書いてくれてありがとうございます。と、伝えたかっただけです。ホントに面白かったです！ (2019年5月6日 1時) (
レス) id: aa76992d65 (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 優愛さん» 応援ありがとうございます(；＿；)更新とても遅くなってしまいごめんなさい、今日からちゃんと更新していくのでどうか見てやってください、、 (2018年12月12日 18時) (レス) id: 80bc442e2b (このIDを非表示/違反報告)
優愛 - テスト頑張ってください！応援してます (2018年11月19日 21時) (レス) id: 80b561b77a (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 琴音さん» 那須くんははちみつレモンの番外編を長編メインでかく予定なので、是非見て貰えたら嬉しいです(･_･、) (2018年10月18日 23時) (レス) id: 80bc442e2b (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - moemoe4002さん» 一世くんと嫉妬が結び付かない（）なんとか知識を振り絞ってご期待に添えるよう頑張ります！（笑） (2018年10月18日 23時) (レス) id: 80bc442e2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねね | 作成日時：2018年9月16日 0時
